[関東2部]昨年は学ラン姿で運営担当…慶應義塾大DF鬼丸瞳斗が選手として4年目リーグ最終盤に帰還「今この瞬間にかける」
[10.27 関東大学L2部第19節 慶應義塾大 1-1 早稲田大 下田G] 昨年は運営担当として学ランを身に纏い、関東大学リーグに携わった。慶應義塾大のDF鬼丸瞳斗(4年=春日部高)はBチームで始まった今年、与えられた役割を遂行して選手として関東大学リーグの舞台に戻ってきた。 【写真】ジダンとフィーゴに“削られる”日本人に再脚光「すげえ構図」「2人がかりで止めようとしてる」 関東大学リーグはホーム校の学生専門スタッフや部員によって各試合が運営されている。鬼丸も昨年その一人として、両ベンチの間に設置された運営本部から試合の進行を支えていた。選手とは異なる形でトップチームの試合に関わる悔しさも当然あったが、選手、応援、運営のどのような形であっても全員がチームのために全力を尽くすという「慶應の一番良いところ」(鬼丸)を大事にし続けた。 最終学年になった今年も運営担当に任命されたが、選手として出場するBチームではキャプテンを担当。Iリーグと呼ばれる大会でプレーしながらトップチームへの昇格を目指していた。ただ、ここでも与えられた立場で全力を尽くすことを心がけていた。 「もちろん(昇格意欲は)持っていましたが、下のチームで勝たないと上に上がれないとよく言われています。最初の方は勝てなくてチームの課題も色々あったなかで、修正して4連勝などチームの力をつけられたことによって自分自身の評価も上がったかなと思います」 ブレずに全力で目の前のことに取り組み続けた結果、8月25日に国立競技場で行った早慶定期戦(●0-4)でピッチに立つことができた。中町公祐監督から受けた指示は「4年の姿勢を見せてこい」。すでに点差がついていたこともあって勝利はできなかったが、これまで意識してきた点とも通じる役割を受けて「ああいった体験はしたことがなかったので高揚するところもありましたけど、はつらつとできた」と大舞台に動じることはなかった。 その後BチームがIリーグ2部に降格する可能性が浮上したため「チームを助けてこい」と再びBチームに戻ることになったが、ここでも役割を果たして残留に貢献した。「自分の価値を発揮することができた」と手応えを感じると、今月20日の法政大戦で待望の関東大学リーグメンバー入り。次節にも2021年以来の1部復帰と2部優勝が確定する最終盤で、選手としてリーグ戦の舞台に戻ることができた。 もっともここまでの2試合は出番が訪れていないが、鬼丸は高精度のキックや攻撃参加を武器に「自分の力を信じて」どのような状況であってもピッチに立つ準備ができている。卒業後は一般企業に就職する予定で、競技としてのサッカーを続ける意欲はありつつも未定だと強調。「今この瞬間にかけるというか、ここで終わってもいいくらい」と覚悟を示すと、「自分が運営をやっているときにいろいろな人が(チームのために)動いているのを見ていたので、プレーする際にはそういったところを力にして、自分の出せる限りの力を出してチームのために戦いたい」とこれまでの経験も踏まえながらラスト3試合へ意気込んだ。