プジョーとは違うのだよ! シトロエンらしくないシトロエン?【パリ レトロモビル2024】
ヨーロッパを代表する古典車イベントのひとつ、第48回「レトロモビル」が2024年1月31日から2月4日までフランス・パリで開催された。会場では、さまざまな変節を目の当たりにするとともに、ある個性的な若者旧車ファンに出会った。1996年以来28年にわたって同イベントを取材している大矢アキオ ロレンツォがお伝えする。 【写真を見る!】パリ・レトロモビルで見つけたちょっと変わったクルマたち(全16枚)
若者はマンガ、おじさんは旧車?
レトロモビルは1974年、パリのバスティーユ駅舎跡で催された部品交換会が始まりである。76年からは、パリ・モーターショーの舞台でもあるポルト・ド・ヴェルサイユ見本市会場で行われるようになった。近年は3パビリオンを占有。出展台数は千台超えを誇る。2024年は550の出展社・団体が参加した。 今回も連日朝、開場時刻の10時を待つ多くのファンがみられた。ちなみに2018年までは「Paris Manga」と題する日本ポップカルチャー・ショーと開催時期が重なっていた。そのためメッセ内で、コスプレした若者たちはそちらへ、おじさんたちはレトロモビルへと、あたかも分水嶺のごとく人の流れができていたものだった。
アニヴァーサリー続々
さて、第48回を迎えた今回は、シトロエン/プジョーを含むステランティス系がブランドとしての参加を見送った。対照的に元気だったのはルノーで、先駆の精神を誇示すべく、歴代のレコードブレーカー(スピード記録車)4台を展示。さらに1933年に同社が航空機メーカーを買収して誕生した企業による「コードロン-ルノー・ラファールC.460」単発機の複製を中央に置いた。 かつて飛行機産業に携わった自動車メーカーは数々あるが、“ルノーの飛行機”はあまり知られていないだけに、それなりの注目度を獲得していた。加えて、「ルノー5エトクトリック・プロトタイプ」の原寸大樹脂製モデルを、同月末のジュネーブ・モーターショーでの実車公開に先駆けて披露した。 外国ブランドでは、フォルクスワーゲン(VW)系3ブランドが積極的なブースを展開していた。VWブランドは、が初代「ゴルフ」から数えて50周年を、ポルシェは74年パリ・モーターショーで展示した911ターボから数えて同じく半世紀を祝った。 もうひとつ、外国勢で大きなブースを占めていたのは、2007年以来中国・上海汽車集団(SAIC)の1ブランドである「MG」で、その100年をアピールした。現地法人のSAICフランスは2024年末に欧州投入予定の「サイバースター」を歴代車種、とくにオープンモデルやスポーツモデルと並べることで、歴史的系譜を強調していた。 モータースポーツ系では、ダカール・ラリーの歴代参加車が特集された。初日の会場にはWRCで前人未到の9連覇を達成したラリー・ドライバー、セバスティアン・ローブがフランス自動車競技連盟のスタンドに登場。 続く2日目には、伝説のドライバー、ジャッキー・イクスが車両展示ブースにやってきてトークを繰り広げた。