弟子は娘の誘拐犯 シルク通販始め傷心 「似合わない」と言われた男性モデルの正体 話の肖像画 夢グループ創業者・石田重廣<24>
《妻との別れ話の最中に、パキスタンの男性たちが乱入。「妻の相手の手を切り落とす」というのを制した》 【写真】30歳のころ、スリランカにて 僕が「もういいよ」とパキスタンの男性たちに言ったとき、不思議そうな顔をされてね。「ボス、どうしてそんな考えができるんだ。悔しくないのか」って。「いや悔しいけど、娘と別れると言った時点でもう家族でないし、僕にも魅力がなかったのかもしれない。それならさっさと幸せになってくれた方がいいから」と話したんです。 そしたら、「ボスはすげえ、グレート、グレート」って始まってね。「これからはボスの弟子になる」って。で、謝罪するの、パキスタンの男性たちが。聞けば娘の誘拐に関与していたという。これには驚いたけど、「もう悪いことはするな」って、輸入通販の仕事をしてもらうことにしたんです。 その後はこの男連中3人と夜な夜な、僕の部屋で話し込むようになったんです。片言の英語で、僕はお酒を飲みながらいろんな話をした。楽しかったね。それで僕の誕生日に「尊敬するボスにプレゼントしたいんだ。このなかから1羽、選んでくれ」と、写真を3枚差し出したんです。いずれも鳥の写真。「なんだ、これは?」「ワシだよ。パキスタンではワシが尊敬の対象なんだ」って。 「ボスはこのワシを腕に乗せて、香港の繁華街ネイザンロードを歩いてくれ。俺たちが友達をいっぱい連れてきて、その後をくっついて歩くから。映画でも英雄はワシを腕に乗っけて行進するだろ」って。そんな姿は想像もできません。「いらないよ」ってなりますよね。 《妻には事情があった》 優しい女性だったの。香港とフィリピンは近いでしょ。だから妻が香港でどんな生活をしているか、フィリピンに情報が全部入るわけですよ。香港の一等地に家を借りて、メイドさんが14人いるとかね。こうした話が妻の親戚や友達に伝わるんです。で、連絡が来る。「病気だから援助してくれ」「薬代が払えない」とかね。で、妻は優しいから、あっちもこっちもみんな助けちゃったわけですよ。 お金はどうやって工面したか。自分が買った時計なんかを質に入れて、フィリピンに送金するわけです。いつの間にか、妻の時計が偽物に変わっていたりする。そんなこともあって妻は疲れちゃったんですよ。そこで路上生活の男性を見て、「かわいそう」から始まったわけです。日本で生活していれば香港ほど、フィリピンからは自由に行き来はできないので、情報はそんなに入らなかったのでは…。悔やまれますね。
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