10場所ぶり三役復帰の小結若隆景が時津風一門連合稽古10勝5敗 初場所で5場所連続2桁挑む
大相撲で10場所ぶりに三役に戻った小結若隆景(30=荒汐)が、初場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けて、順調な仕上がりを披露した。7日、両国国技館の相撲教習所で行われた、所属する時津風一門の連合稽古に参加。関取衆の申し合いで計15番取って、10勝5敗だった。鋭い出足から一気に勝負をつけたり、腰の重い相手を出し投げで崩してから攻略したりと、持ち味を発揮した。「しっかり稽古できた。いつも通り、立ち合いで当たって下から攻めることを意識した」と、納得した表情で話した。 新関脇だった22年春場所で初優勝後、三役の座を守り続けていたが、23年春場所13日目に右膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを負った。その後は3場所連続で全休し、幕下まで番付を落とした。だが同年九州場所で復帰後は、順調に番付を戻し、先場所までの最近4場所は全て2桁白星。先場所、先々場所は2場所連続で三賞も受賞した。「気を引き締めて、新年最初の場所に臨みたい」と、気力も充実している。 今場所は兄の関脇若元春とともに、再び兄弟で三役を務める。自身が番付を下げた間も、幕内上位の座を守り続けていた兄とは「切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」と、そろって三役での勝ち越しを目指す。 勝ち越しの先には、自己最長を更新する5場所連続の2桁白星も懸かる。三役で2桁白星を挙げれば、目標とする大関昇進の起点。「三役で3場所33勝」という、昇進目安を目指していくことになる。それでも「しっかりと自分の相撲を取って、あとは結果がついてくれば」と、目先の勝敗に躍起になるつもりはない。あくまでも「自分の相撲」を取ることが優先。先月から30代に突入し、一段と落ち着きも出てきた。大関大の里には2連勝中など、優勝争いのカギを握る存在。それどころか、この日の軽快な動き、仕上がりの早さ、心身の充実ぶりは、2度目の優勝を予感させるのに十分だった。【高田文太】