【今季のヤマメ】ドライフライで追い、楽しく弄ばれた釣り旅 in 熊本県川辺川
いよいよ解禁である。それでカーティスクリークの川辺川へ向かった。五家荘地域には放流のヤマメの他にネイティブも混じって釣り人を楽しませてくれる。清浄の瀬に育まれた今季のヤマメがどのようにフライを追ってくれるのかワクワクしながら渓に向かった。 【写真】今回の釣行で活躍したフライの数々
釣行初日、解禁初期の渓でドライフライにヤマメが跳ねる
初期は渕がいいと誰もが教えてくれるところで、それでまず川辺川上流樅木に行った。大きな堰堤からそっと覗くとヤマメが数匹ユラユラしている。虫は飛んでいないしライズもないのでミッジニンフのルースニングである。相変わらずフライとオモリと目印がバラバラに飛んで面白くない。 目印に恩寵が現れるまで抛る(ほうる)。するとなんと横でバシャッとライズした。そそくさオモリと目印を外して大好きなEHC(エルクヘアカディス)16番を結ぶ。狙い通り来た、だが合わせきれない。それでも心の中はドライフライでいけるぞ気分でワクワクである。 6Xリーダー9ft、7Xティペット3ftを7ft3番の短竿に繋いで薮と岩が防ぐ溪を凌ぎながら釣り上がる。と、ルアーが降りて来た。10匹ほど掛けた、よく追って来たと言う。なんだ後さらいをするのか。 さて抛る、また抛る。するとまたルアーが降りて来た。5匹ほど掛けた、小さかったけれどよくルアーを追ったと言う。さっきは10で次が5、ということは…もう魚は残されてはいない。と思ったけれど、ルアー禍から逃れたヤマメは点々と現れた。ルアーが辿れない浅い瀬や坪の渕にいた。
初日の午後は美しい渓でヤマメを追う
ライズもハッチも無くドライフライで掛けたのは6匹!どれも小ぶりで、掛けばらし、合わせ切れ、合わせ損ない、ランディングミス、撮影途中の遁走もたくさんあった。しかし、どれもこれも楽しい失敗であった。 残念ながら胃の中を観察しなかったけれど、EHC、グリズリーパラシュート、グリフィスナット等々小さいフライならなんでも喰ってきた。前日の雨で何もかも流されてしまい飢えさせられていたヤマメにとっては突然やって来た幸だったのだろうか。いったん宿に帰って昼飯。もう、1日中釣るということはなく、2、3時間も釣れば間をおいて身魂の回復を図るのである。 午後の釣り場は、昨年終盤、旧知のフライマンにとにかく美しい渓だからと教えられていた小川である。ここもライズは無いのでブラインドの釣りである。で、ここでも来た。どれも同じような大きさだった。それで、どこの渓でも同じのが同じように跳ねていると思えた。放流の賜物だろうか。 実は解禁日の釣行でつらい釣りを強いられて重い始まりだったけれど、1匹掛けるたびにジイちゃん無邪気に立ち直ってニコニコ軽くなる。初日は十分堪能、明日を楽しみにして竿をたたむ。