長期金利1.1%超え、日銀追加利上げ観測根強い-13年ぶり高水準
(ブルームバーグ): 長期金利が1.1%を上回り、約13年ぶりの高水準を付けた。日本銀行の追加利上げ観測を背景に金利先高観が強く、年末の持ち高調整も影響して売りが強まった。
27日の債券市場で新発10年国債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp)高い1.105%と、今年の最高だった1.1%を上回り、2011年7月以来の高水準を更新した。1.1%は5月30日、7月3日と同25日、12月17日と4回付けてはね返されてきた水準。
経済・物価情勢は日銀の想定通りに推移しており、来年3月までに利上げが実施されるとの観測が根強い。日銀の植田和男総裁は25日の講演で、現在のような低金利を維持し続ければ、緩和度合いが過大になる可能性に言及した。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広シニア債券ストラテジストは、年末の持ち高調整の売りが出ており、本来であれば1.1%の水準では押し目買いが入るだろうが、市場参加者が少なく押し目買いが入らないと指摘。市場参加者が戻る年明けには「1月利上げ観測が強まっていなければ、買い戻されるのではないか」との見通しを示した。
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Saburo Funabiki, Hidenori Yamanaka