むしろ「モンデオ」の後継車? フォード・カプリ AWDへ試乗 目標はファミリースポーツカー
インテリアはエクスプローラーと共通
スタイリングの印象は、見る人によって異なると思う。筆者は、エクスプローラーの方が記憶に残ると感じた。このクラスの電動SUVは選択肢が少なくないが、そこへ埋もれない、しっかりした個性があるからだ。読者はどうお感じだろう。 MEBプラットフォームは、3段階の最低地上高を想定して開発されている。カプリでは最も低い仕様が選ばれており、四輪駆動では10mm高くなる。それでも、エクスプローラーより低い。 ボディと異なり、インテリアはエクスプローラーと共通する部分が多い。ダッシュボード回りは、基本的に同一。荷室も含め空間は広々としていて、小物入れが多いことなど、優れた部分も一致している。 リアシートに座ると、僅かに頭上の余裕が少ないことがわかる。パノラミック・ガラスルーフはオプションだ。内装の雰囲気は、良くいえば落ち着いている。 ダッシュボード中央のタッチモニターは、15インチと巨大。車載機能の殆どは、このインフォテインメント・システムへ集約されている。操作性が良いとはいえず、大画面を有効には活かせていないが。
パワーは充分 姿勢制御や操縦性の洗練度は高い
運転した印象も、エクスプローラーと似ている。実際に乗り比べても、普通に認識できるほどの違いはないといっていい。だが、ライバルの中で1番動的能力が高いとは表現できないまでも、優れた体験を提供してくれる。 今回試乗したカプリは、ツインモーターの四輪駆動。パワーにまったく不足はなく、カーブでのトラクションも高く、キビキビと狙ったラインへ導ける。姿勢制御や操縦性の洗練度は高く、落ち着いてもいる。 ステアリングホイールは軽く操れ、反応は正確。気張るほどボディロールは増していくものの、しっかり抑制されている。運転の充足感は高い。 乗り心地は硬めだが、不快に感じるほどではない。英国の市街地では一般的な、傷んだアスファルトでは揺れが目立っていたけれど。 航続距離は、カタログ値で556km。実際にも、530km近くは走れる様子。充分な距離といえ、これまでの生活へすぐに馴染めるだろう。 英国価格は、エクスプローラーより約2000ポンド(約39万円)お高い。トリムグレードは、セレクトとプレミアムの2段階が用意される。