広島地検検事の自殺めぐり遺族側が国に賠償求める裁判始まる 遺族「悲しみは今も癒えない」国側は答弁を留保 東京地裁
2019年に広島地検の男性検事が自殺したのは、長時間労働と上司からのパワーハラスメントが原因だとして、遺族が国に賠償を求めた裁判が、きょう(19日)、東京地裁で始まりました。 この裁判は、広島地検に勤務していた当時29歳の男性検事が2019年に自宅で自殺したことをめぐり、原因は長時間労働と上司からのパワハラだとして、遺族側が国におよそ1億7000万円の賠償を求めたものです。 遺族側は、男性検事の時間外労働が100時間を超えた月があったことや、男性検事が当時の上司から「話にならない」「修習生以下」などと、机を何度も叩きながら侮辱的な叱責を受けたことなどが自殺の原因で、国が男性検事の健康を損なうことがないよう注意する義務などを怠ったと主張しています。 きょう、東京地裁で開かれた第1回口頭弁論で、遺族側は、広島高検が行った自殺の原因調査は「不十分」とし、当時の上司の言動について「調査によって、何らの評価も言及もされていない」「本気で原因を究明するつもりがあるのか強い憤りを覚える」と意見陳述しました。 一方、国側は答弁を留保しました。 弁論後の会見で男性検事の父親は、「子どもを失った悲しみは今も癒えない」「子どもが希望を持って入った職場が、今回のことを機によりよい組織になってもらう訴訟になればと思っています」と話しました。
TBSテレビ