トマトジュース販売好調 24年上半期 国産の供給拡大に期待
健康志向で若者の消費増える
トマトジュースの販売が好調だ。健康志向の高まりを背景に若年層の消費も増え、出荷量は大幅に増加。民間の売れ筋調査でも上位に入る。円安などで原材料の大半を占める輸入品の価格が高騰する中、国産の供給拡大に期待が高まる。 カゴメによると、看板商品「カゴメトマトジュース」の出荷量は大幅に伸びている。23年は、比較可能な07年以降で最大だった22年を15%上回った。24年上半期は売り上げが前年同期比を46%上回り、「野菜飲料全体の販売を押し上げている」(広報グループ)。 市場調査会社インテージがまとめた2024年上半期売れたものランキングでは、トマトジュースは4位に入った。全国約6000の小売店のデータを分析し、1~5月の販売金額は前年同期比30%増。消費を伸ばす米(18%増、9位)も上回り、上半期のトレンド商品となった。 カゴメトマトジュースは、機能性表示食品としてPRし、健康への関心が高い40~60代の需要をつかんだ。ポッカサッポロの「キレートレモン」と混ぜた「キレトマ」は、サウナ愛好家から人気を集め、交流サイト(SNS)を通じ若年層に広がった。 ただ、原材料の大半は輸入。全国トマト工業会は「出口は確実にある。収穫の作業負担が大きいが、生産拡大に期待したい」と話す。
日本農業新聞