内田篤人コーチの下、韓国に快勝「新生なでしこ」の大問題(3)使命は「誰もが納得する」招聘、「避けたい」ハリルの二の舞、「ありうる」Jリーグ指導者
サッカー女子日本代表が、新たなスタートを切った。佐々木則夫監督代行、内田篤人コーチの下、韓国代表との親善試合で快勝したのだ。だが、「新チームを指揮したのが監督代行だった」こと以外にも、気にかかることが多かったと言うのは、サッカージャーナリストの後藤健生。新生なでしこジャパンが今後、W杯王者スペイン、五輪金アメリカを破って、世界の頂点に立つために必要なことは何か? その船出にあたってベテラン記者が飛躍を妨げる「大問題」、落とし穴の存在について指摘する! ■【画像】「目ん玉飛び出るくらい美人」ウクライナ戦MVPの元サガン鳥栖GK、サロモ系美女と入籍「顔出し夫婦ショット」に反響続々
■格上アメリカと「延長戦」にもつれ込む死闘
池田太前監督は、ゲーム戦術を操って勝負できるという意味で、これまでの女子代表監督とは一味違う指導官ぶりを発揮した。また、従来ずっと4バックでプレーしてきた女子代表として初めて3バックに挑戦し、ワールドカップまでの1年弱でこの形を完成させ、グループリーグではカウンター・サッカーでスペインに4対0と勝利。 パリ・オリンピックでも、格上アメリカと対戦した試合で、徹底した抵抗を示して延長戦にもつれ込む死闘を演じてみせた。 これだけの手腕を持つ監督を退任させたのだから、誰もが納得するような監督を招聘することが日本サッカー協会としての、女子委員会としての使命となろう。 だが、外国人指導者をはじめ、何人かにアプローチしたものの、合意に至らなかったと聞いている。 たしかに新監督に求められるタスクは、「スペインやアメリカのような強豪相手にも、自らが主導権を握る戦い方をして勝つ」というハイレベルの要求だ。新監督探しが難航するのも当然のことだろう。 これから、新監督探しに拍車をかけたいところだろうが、難しいのはすでに新シーズンが始まってしまっていることだ。 すでに、多くの指導者が各クラブや代表チームで指揮を執っているのだ。現在、フリーの立場の指導者の中から探すことになると、選択肢が狭くなってしまう。
■八百長問題にかかわった疑惑で「契約解除」
かつて、男子日本代表ではハビエル・アギーレ監督が、スペイン・リーグでの八百長問題にかかわっているという疑惑が生じて、日本サッカー協会は早々に契約を解除してしまった(アギーレ監督の有罪が確定したわけでも、起訴されたわけでもなかったのに……)。 それは、アジアカップが終了した直後の2015年初めのことだった。ヨーロッパでのシーズンの真っ只中という時期だった。 原博実技術委員長の下で新監督探しが始まったのだが、すでにシーズンの真っ盛りだったので、監督候補のリストは限られていた。 そして、辿り着いたのが、2014年のブラジル・ワールドカップでアルジェリア代表の指揮を執った後、トルコのトラブゾンスポル監督に就任しながら、3か月ほどで契約解除となり、その後フリーの立場にいたヴァイッド・ハリルホジッチだった。 しかし、結果的にハリルホジッチという選択は成功せず、チーム内に混乱を生んだあげく、ロシア・ワールドカップ開幕まで3か月と言う時点で契約を解除することになってしまった。結果論として言えば、「拙速な選択だった」というのが結論だった。 従って、これから再開される女子代表監督選びでも“あせり”は禁物。日本の女子サッカーの将来像や指導者としての経歴や能力を照らし合わせて、納得のできる人物が現われるまで時間をかけて選択や交渉をすべきだろう。 幸い、女子サッカーのカレンダーはオリンピック終了から、次期ワールドカップまで3年という時間がある。当面、暫定監督の下で活動しながら、納得できる人選を待つこともできるはずだ。
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