兵庫・斎藤知事の選挙カーでライブ配信 公選法違反疑惑を浮上させたPR会社・女性社長のSNS戦略の実態を目撃
■「ガッツポーズなどの演出も折田さんの戦略」 斎藤知事を応援していた地方議員はこう話す。 「演説内容や、車を降りてからアンコールで再度、選挙カーに上がり、ガッツポーズするなどの演出も折田さんの戦略の一つと聞いている。斎藤知事はそれを忠実に実行した。従来の斎藤知事陣営の選挙事務所は数人の地方議員などでやっていましたが、ほとんど機能していない。折田さんのSNS運用こそが、斎藤知事の選挙の核でした」 こんな話がある。斎藤氏と縁がある元衆院議員のA氏は、選挙期間中に激励をしようと斎藤氏の選挙事務所に向かった。夕刻の6時過ぎだったが、選挙事務所にはだれもおらず、選対幹部に連絡しても要領を得ない答えだったという。 「午後6時に選挙事務所に誰もいない、戻るかどうかもわからないというのはどういうことなんでしょうね」 とA氏は呆れて引き上げたという。斎藤氏の「選挙事務所」の役割は、実質的には折田氏の会社が担っていたということだろうか。 ■「私の働きは400人分に見えていたんや!」 SNS戦略で斎藤氏の当選を演出したという折田氏は、誇らしげにこう記している。 〈選挙を終えてみての私の率直な感想は、「選挙は広報の総合格闘技」であるということです〉 〈今回、様々なメディアで「広報・SNS戦略」を誰が手がけているのかについて憶測が飛び交い、「大手広告代理店がやっている」やら「都内のPRコンサルタントが手掛けている」やら本当に都度事実無根の記事が拡散されている〉 〈(当選後に)「400人のSNS投稿スタッフがいた」という次なる「デマ」がさも事実かのように流されてしまい、驚きを隠せないと同時に、「私の働きは400人分に見えていたんや!」と少し誇らしくもなりました。そのような仕事を、東京の大手代理店ではなく、兵庫県にある会社が手掛けたということもアピールしておきたいです〉 ■選挙運動への報酬は公選法違反の疑いが だが、折田氏のあけすけなブログが、スキャンダルの火種となった。 斎藤氏が折田氏の会社に「広報全般を任せて」いたとなると、斎藤氏は発注者として折田さんに金銭を支払っていたか、支払う約束をしていたことになる。 だが、公選法で、選挙中に金銭の支払いが認められているのは、登録された運動員などに限定され、金額の上限も決められている。選挙運動は無報酬のボランティアがするのが原則で、SNS運用などの選挙運動の対価として報酬を支払うと、公選法の買収罪が適用される可能性がある。