「山の神に迫った男たち」宮下隼人&山本唯翔が“史上最大の5区決戦”を大予想! 箱根駅伝の4代目「神」候補は若林宏樹(青学大)かそれとも…?
2年前の第99回箱根駅伝の5区だった。 宮下隼人(東洋大―コニカミノルタ)は日本テレビのスタジオに解説者として呼ばれ、モニター画面を見つめていた。忍者のような素早い走りで山を駆け上がっていく選手に、その場にいた皆が目を奪われた。CMが入り、解説をしていた瀬古利彦さんに「彼に(区間記録を)抜かれるなぁ」と言われて、思わず苦笑した。 【写真】「細い! 軽い!」“山の妖精”山本と宮下の走りから、101回大会の「山の神」候補たちの力強い走りまで写真で見る その彼が、山本唯翔(城西大―SUBARU)だった。 当時、山本は3年生で、5区は1年時(区間6位)に次いで2回目だったが、軽快なリズムで上る姿に区間記録更新の期待が膨らんだ。
「これは、区間新行くな」
宮下は、「これは、(区間新)行くな」と思いながらモニターを見つめていた。 「あの時、区間賞は若林(宏樹・青学大)君が有力と言われていたのですが、山本君はすごく走りが軽かったですし、ストレスなく上っている感じでした。どんどん区間記録に近づいて、ゴール前にタイムを見た時は、あぁ抜かれたなと(苦笑)。いずれ抜かれると思っていましたが、自分が区間記録を出して(96回大会)まだ3年だったので。ちょっと悔しい気持ちもありましたが、山本君は強かったです」 山本は、70分04秒で区間新をマークし、城西大のシード権獲得に貢献した。 宮下は、その箱根後、都道府県駅伝で山本と会った。
「もう1回いけそう?」「たぶん…」
山本は新潟県代表、宮下は山梨県代表として参戦しており、7区の送迎バスで一緒になって、少し話をした。 「山本君に『区間新おめでとう。来年もう1回チャンスあるけど、もう1回いけそう? 』と聞いたんです。僕は、『やってみないと分からないですね』みたいな答えが返ってくるのかなと思ったら『たぶん、行けると思います』と言ったんです。この子すごいなぁって思っていたら翌年、区間記録を更新したので、やっぱりすごいなと思いましたね(笑)」 宮下を驚かせた第99回大会、山本は、タイムよりも区間賞を獲ることを意識していた。だが、走り始めてからいいペースで走っていると、運営管理車の櫛部静二監督から「区間賞ペースだ。このままいけば新記録が出るぞ」と声をかけられた。
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