新入社員へ“手厚い待遇” !背景 には人手不足 ”働き盛り世代”は資金低下【WBS】
投資資金10万円プレゼントも
こうした中、新入社員全員に1人10万円の投資軍資金の支給を発表したのは、不動産投資を行うサービスなどを手がけるGAテクノロジーズです。 自らの給与の運用を始め、資産形成に興味を持ってほしいと、今年初めて、入社式に合わせて金融セミナーを実施。実際に投資資金を支給して、新入社員50人に、その運用方法を自ら考えてもらおうというのです。 新入社員はグループで投資先などを議論したのち、全員の前で発表しました。 「私は『持ち株会』2万円、『NISA』3万円、『国内株式』『海外株式』に2.5万円ずつ。イオングループとオリエンタルランドがいい感じだと聞いたのと、ディズニーが好きなので」(GAテクノロジーズの新入社員) 投資資金としての10万円の会社からの支給に、新入社員は「びっくりした。一人暮らしをしていて、10万円は大金だとすごく感じるので、自分で投資に運用させてもらえるのはすごくありがたい」と話します。 「資産形成は若いうちから始めるのがいいとされている。実際に資金を提供して後押しするのは結構面白いのではないかと」(GAテクノロジーズの加藤勤之さん)
働き盛り世代は賃金低下
「初任給が増えて若手社員に手厚い企業が増えましたね」(相内優香キャスター) 「株価も、賃上げ率も今、30何年ぶりにというニュースが多いが、この間何も変わらなかったのが労働市場であり、日本の大企業、ジャパニーズ・トラディショナル・カンパニー(JTC)の組織。今、年次主義や縦割り、上意下達といった若い人に受け入れられないところがSNSで批判されている。なので脱JTCを多くの企業が掲げ始めている」(原田亮介解説キャスター) 「JTCもすごくネガティブな意味なんですね。田中キャスターは取材してきてどうでしたか」(相内キャスター) 「私も第一生命を取材しましたが、菊田社長も『最近JTCという言葉があると聞いている』と話していました。大企業にありがちな殻を破って、多様性のある組織にすることが重要だと」(田中瞳キャスター) 「まさに脱JTCなんですね。いわゆる年功序列ではなく、ポストに見合う賃金や処遇と言われて久しいですが、時間はかかりました」(相内キャスター) 「人事や賃金改革は生身の人間がいて、損得も絡むので時間かかる。しかもまだ一つ残っている問題がある。年齢ごとに20年前の年収を比べると、ミドルの世代、35歳から49歳までが、20年前の年収に達していない。40歳から44歳は20年前に比べて18万円も低い」(原田解説キャスター) 「これはまさに私たちの世代ですね。大企業は給与が上がっていますが、こうなると中小企業は厳しい」(豊島晋作キャスター) 「初任給で30万円を超えると、中小企業は非常に厳しい。これから最低賃金の前倒しの引き上げが来るだろうから、それによって淘汰が進むのではないか」(原田解説キャスター) ※ワールドビジネスサテライト