NSXは1500万円の中古車も クルマを買って得する方法はある?
クルマを買って損したり得したりすることがある。ではその損得にはどんな原則があるのだろうか? 今回はそんな話を考えてみたい。
新車価格より高いプレミアム価格
稀なことだが、中古車にはプレミアム価格が付くクルマがある。ホンダのNSXは、生産終了時(2005年)の新車価格は967万円~1213万円。しかし中古車の最高値は現在なんと1500万円近辺だ。10年間で走行距離1万キロ未満というデッドストック的特殊な個体とは言え、ちょっとやそっとのクルマじゃプレミアまでは付かない。 もちろんNSXとて、中古車全てにプレミアがついているわけではない。ほとんどのクルマは新車価格から見れば値下がりしているのだが、その価格を見てみるとびっくりする。3万キロ以下の低走行で条件の良さそうなものだと800万円前後。走行不明という怪しげな最安値物件で見ても200万円の値はついている。 プレミアム価格の1500万円を見た後だと安い様な気がするが、冷静によく考えて欲しい。最終型でも10年経っているクルマだ。最安値が付いているモデルは91年式の初期モデル。23年前のクルマだ。23年前のクルマと言えば値段がついているだけで奇跡なのに、走行距離不明のおそらく程度の良くない個体に200万円もの値段が残っているのだ。 NSXの相場が何故今でもこんなことになっているのかと言えば単純明快。欲しい人がいて需要があるからだ。'90年近辺にバブルの養分をたっぷりと吸って生まれた日本車はある世代の人々にとって憧れの対象だ。特に和製スーパーカーとして話題をさらったNSXは、今でも欲しい人が沢山いる。極めて当たり前の話で恐縮だが、中古車は相場モノ。需要と供給のバランスで全てが決まるのである。 だったらプレミアムの付くクルマを買いたくなるのは人情。しかし、新車時にこうしたプレミアム価格が付くモデルを予測するのは難しい。F40から続くフェラーリの限定モデルのようなものなら話は別だが、フェラーリはお金をいくら積んでも一見の客には限定モデルを売ってくれない。抜け道はあるものの、正規で買うことに限れば、歴代の限定モデルを全部新車で買い、それらを手放さずに持っている人だけに売ってくれることになっている。普通の人には縁の無い話だ。