障子破り、おしっこストライキ… 猫との生活は大変だけどそれ以上に幸せいっぱい! もふもふ癒しの猫ライフ【書評】
動物との生活は、お世話が大変だが、それ以上に心が満たされる時間がある。病院で子猫が3時間も泣き続けているところを見つけ、保護し、育てることを決めた著者。思いのほかやんちゃな猫で、家のあちこちを壊されつつも、家族全員が猫との生活を楽しむ様子が描かれている。 【漫画】本編を読む
『茶トラのやっちゃん』(類/KADOKAWA )はXに投稿していたマンガが人気となり書籍化されたものである。
マンガの魅力は、ほのぼのとしたイラストと温かいエピソード。やっちゃん(八千代からやち)と名付けられた猫の愛らしい姿や、家族との触れ合い、そして日常の些細な出来事から生まれる笑いや感動が、読者を心温まる世界に引き込んでくれる。あらゆる角度からの猫のイラストや写真も満載で、ほっこり幸せな気持ちになれることも魅力のひとつだ。 猫と生活している人にしかわからない「へえ」も多い。子猫はおでこから甘い匂いがすること(個体差あり)、完璧なフォルムのおしり、手を見ると表はクリームパン、裏は猛禽類のよう、お腹がたるんでいるのは太っているのではない、など実際の猫で確認したくなる情報も興味深い。
育ててみると意外にも活発でやんちゃなやっちゃん。障子破り、外に脱走、あらゆる物を破壊するが、憎めない愛らしさ。トイレ事情もあり、不満があるときは「おしっこストライキ」(あちこちに粗相をする)、ウンチの後に全力疾走する「トイレハイ」もまいったな…とは思うも、怒りにならないのは、やっちゃんにハートが満たされているからだろう。
すでに家にいたラブラドールのウッちゃんやクサガメに対して常に強気なやっちゃんの態度が「猫あるある」でくすっと笑える。 面白い点は、やっちゃんの行動のあれこれを他のマンガのシーンに例えているところである。全力疾走で走る様子を車のマンガのワンシーンに、他の猫に対して素っ気ない態度をとるマンガのワンシーンに。そのマンガのイラストも「ああ、あれ」と、マンガ好きなら思い出せるものが多く、別の楽しみもある。