新幹線亀裂問題で川崎重工が是正策発表(全文1)現場の裁量や判断に依存
亀裂が発生した台車の説明
司会:着席。それでは製造不備に関する原因究明と是正策の報告に入らせていただきますが、その前にあらためて当社が2月28日に公表いたしました製造不備につきまして、お手元の資料の第1部の添付資料マル1というものでご説明をさせていただきたいと思います。こちらの資料をご覧いただきたいと思います。 2007年2月に製造した亀裂発生台車枠は、強度部材である側バリ、左図1のところにございますけども、下面の板厚が設計上の寸法8ミリ、加工後7ミリ以上より薄く、最も薄い箇所は4.7ミリとなっておりました。台車枠部材、側バリと軸バネ座を溶接して固定する工程において、両部材の隙間を調整するために側バリ下面を削り過ぎ、加工後の規定寸法より薄くしてしまっていました。また、亀裂発生台車枠の軸バネ座下面の全面に肉盛溶接、この肉盛溶接というのは削り込みの補正と寸法調整のための補修に用いられる一般的な施工方法でございます。を行ったとみられる形跡が見つかりました。 このような肉盛溶接を行った場合は、残留応力の除去をする工程を経るべきですが、その実施を確認する記録が残っておりませんでした。で、この図1のところが先ほどご説明申したとおり側バリ、これは台車構成部品の1つで、車体を支え、走行に関わる重要な部品でございます。そして右が、図2が側バリプレス品の抱き合わせの組み立ての方法でございます。コの字に加工されたこの側バリプレス品、これを抱き合わせまして、溶接にして組み立てます。 で、図3でございますけども、これ、天地がちょっと逆になっておりますが、側バリには4つのこの黄色の、軸バネ座、これが4つ溶接されておりまして、1台車に左右合わせて8つの軸バネ座がございます。図4でございますけど、側バリ製造工程内の問題点ということで、この四角に囲んであるところでございますけども、側バリプレス品の曲げ加工精度にばらつきがあり、軸バネ座を取り付ける側バリの下面が平面になっていなかったということで、ここを削り過ぎたということでございます。それからマル3のところにありますように、このブルーのところですが、全面にわたる肉盛り溶接を行った箇所はこちらでございます。 それでは続きましてN700系新幹線台車枠製造不備、第1部を社長の金花よりご報告させていただきます。全員、起立。起立して。