移住した元ミュージシャン夫婦が営む愛荘町のイチゴ農園、初の収穫・販売
大阪から愛荘町に移住した夫婦が営むイチゴ農園「愛荘ストロベリーLab.(ラボ)」(愛荘町平居)が12月14日、栽培・収穫したイチゴの販売を始めた。(彦根経済新聞) 【写真】「あきひめ」=愛荘ストロベリーLab. 約45アールの農地とビニールハウス3棟から成る同園。1棟は「育苗ハウス」と販売所、2棟はイチゴを栽培する「本圃(ほんぽ)ハウス」として稼働している。 同園を営むのは、彦根出身の高橋拓磨さんと大阪出身の紗矢香さん夫婦。共に大阪で音楽活動をしていたが、結婚、妊娠を機にミュージシャンを辞め、会社員となり子育てをしていた。子育てを通して拓磨さんは、子どもたちが心置きなく夢を追いかけられるように「家業」を作りたいとの思いが芽生え、就農を考えたという。 農業経験がないため就農には大きな不安もあったが、地元農家が協力してくれたという。「あいしょうアグリ」(東円堂)の仲介で農地を借り、拓磨さんは滋賀県立農業大学校(近江八幡市)に通いながら「市川農場」(豊郷町)でイチゴ栽培を教わった。今年2月、愛荘町に家族で移住し、夫婦でイチゴ栽培を始めた。 栽培している品種は、果汁が多く、先端の甘味が特徴だという「あきひめ」と酸味が特徴の「よつぼし」。今年は、「よつぼし」は少量しか生育できなかったが、「あきひめ」の出来は「上々」だという。 拓磨さんは「農業は毎日やることがあってしんどいことも多いが楽しい。毎日違うことに遭遇して、それに向き合うのは性に合っている。経験が浅く五感で感じることはまだまだできないが、教わった手順通りに手間をかけて育てている」と話す。 「ここまで来られたのも周りの農家さんのおかげ。本当に良くしていただいて感謝しかない」と感謝の言葉を口にする。「安定した品質のイチゴを作れるように向き合い、自分が育てたイチゴを使った商品も開発していきたい。イチゴを通じて『愛荘町』を知ってもらうきっかけになれれば」とも。 紗矢香さんは「子育て中の人とも仲良くなりたいし、気兼ねなくおしゃべりに来てもらえれば」と来園を呼びかける。 価格は1パック750円(245グラム~255グラム)。営業時間は9時~15時(売り切れ次第終了)。イチゴの販売は6月ごろまで。
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