【あの日のスタメン】史上15人目の偉業達成 “ミスターパーフェクト”槙原寛己の完全試合
完全試合とは、先発投手が相手チームの打者を一度も出塁させず、無安打、無失策、無四死球、無失点で勝つことです。日本プロ野球史上、完全試合をやってのけたのは16人のみ。今回のあの日のスタメンでは、1994年5月18日の槙原寛己さん(以下、投手)の完全試合を取り上げます。 【動画】長嶋茂雄監督時代のハイライトはこちら! この日は福岡ドームでの広島戦。槙原投手は初回、正田耕三選手、緒方孝市選手、そして野村謙二郎選手を3者凡退に打ち取ります。そのウラ、川相昌弘選手が安打で出塁すると4番の落合博満選手のタイムリー2ベースで1点を先制。続くコトー選手もタイムリーを放ち、2点の援護を手にしました。 2回にも槙原投手が自らタイムリーヒットを放つ“ジエンゴ”などで3点を追加した巨人。5点のリードをもらった槙原投手はその後も快投を続けました。 「6回くらいから本格的に意識していました」と試合後に語った槙原投手ですが、5回に2アウトで打席に迎えた金本知憲選手の高くバウンドしたピッチャーゴロをワンバウンドで送球。ファーストの落合選手が止めましたが、ベンチに戻るときに笑顔でたしなめられるような場面がありました。 その後、6回も7回も8回も3人で打ち取ると、6-0で9回のマウンドへ。この回、広島の河田雄祐選手には4球目をセンターへ運ばれますが、ここは屋鋪要選手が前進してきてがっちりキャッチ。続く西山秀二選手をサードゴロに打ち取ると、最後のバッターとなった御船英之選手を打席に迎えます。球場は興奮の渦にのまれ、どよめきが起こっていました。 初球をファウルにされると、次はインコース高めにボール球。カウント1-1からの3球目は144キロの高めのまっすぐ。御船選手が打ったボールは高々とファウルグラウンドへあがっていきます。ファーストの落合選手が1塁ベンチ前でキャッチすると、マウンド上で両手をあげて喜んだ槙原投手。史上15人目の快挙を果たした瞬間でした。 「夢の中ですね。ピッチャーやっている人はみんなあこがれるもの。ピッチャーやっててよかった」とヒーローインタビューで語った槙原投手は、試合後に「村田のサインを一度だけ首を振ったけど、(あとは)その通り投げました」とキャッチャーの村田真一選手と2人で勝ち取った偉業であることを強調しました。 ▽広島のスタメン 監督:三村敏之 1(二)正田耕三 2(中)緒方孝市 3(遊)野村謙二郎 4(一)メディーナ 5(右)音重鎮 6(左)金本知憲 7(三)高信二 8(捕)西山秀二 9(投)川口和久