食事は自炊にこだわらなくても大丈夫!自分の健康管理は自分で責任を持つべきこれだけの理由
このコラム『研究者と管理栄養士が考えた「最強の食事戦略」』を読んでくれている人は、自分の食事や健康管理、ダイエットに関心があると思われる。生活スタイルは一人一人異なり、食事のスタイル(自炊メインか、誰が食事を用意しているか、外食の回数等々……)もさまざまであろう。それは問題ではない。大切なのは「食事の選択ができるかどうか」である。 *本記事は『最強の食事戦略』(堀口逸子 平川あずさ、ウェッジ)の一部を抜粋したものです。 【画像】食事は自炊にこだわらなくても大丈夫!自分の健康管理は自分で責任を持つべきこれだけの理由
自炊にこだわるよりも食事の「選択」ができるかどうか
健康づくりにおける主な取り組みは、運動と食事。健康管理のための運動は、トレーナーのサポートがつくことはあっても、自分の体を自分で動かすしかない。ところが、食事については必ずしも自分だけで、ではない。 筆者(堀口)が骨折で入院している間、病院では栄養のバランスがとれた食事が提供されたが、病院から一歩外に出たらそうはいかない。そのため、外食にしても1人、複数人の場合と、その都度その食事の役割、目標を考えるようになった。1人で外食するには、いろいろな食材を食べ、またたんぱく質を食べる機会と捉え、ジャンルを考える。そして、量をイメージしてお店を選択。人数が多く鍋料理の場合は、野菜を食べる機会と考えたりする。その野菜の量も、100g以上を量って1人で鍋をして初めて分かった。以前は食べ過ぎていた。 食事を考えるときの基本単位は「1日」である(第1回目記事「<研究者と管理栄養士が考えた食事戦略>カロリーは目に見えないから、食べる「量」で食事改革」参照)。その1日の食事すべてを自分で考え準備できるなら、当然、栄養バランスのとれた食生活への転換ははかりやすく、かつ維持しやすい。自炊かどうかが重要なのではなく、自身の食事を自分で選択できるのか、あるいは、提供された食事の目標が何かを考えられるか、なのだ。外食・中食という枠で考えるべきでない。
食事の管理を、他者に任せてはいけない
食事の内容は、夫婦2人だけの時、子どもが生まれ育ち盛りの時、単身赴任、そして孫が生まれてからなど、いくつかの場面で変わる。「この年齢で、息子に合わせたとんかつや唐揚げが続くとつらい」「孫に合わせてステーキとカレー」と、食事は子どもや孫に合わせた内容になっていることが多いのではないだろうか。その際に、自分の基準を持ち、それに照らし合わせて食べていくことが重要である。つられてスポーツをしている子どもと同じように食べていたら、代謝も消費量も異なれば、当然体重に変化が表れてくるだろう。 SNSなどで、単身赴任の夫のために冷凍弁当を宅配しているのを見かけるが、栄養のバランスがとれた食事の提供なのだろうか。キッチンは、衛生管理が工場と違い十分ではない。また宅配はたとえ冷凍であっても、専用ではない。食中毒など安全性の観点からおすすめできるものでない。自分の食事は自分で選べるようになっておくべきである。 個人でも難しい食事の管理をまして他者に任せてしまうのは、任せられた者も困ったものである。他者を尊重しつつ、また指示を出したり、苦情を言ったりすることでもない。家庭内のサポートについて、第三者がとやかく言うのは筋違いだから、ここではあえて言及しない。もちろん、サポートが得られれば、食事改革に取り組みやすいことは間違いない。食事の提供を担う人が家庭内にいるのであれば、ぜひ一緒に取り組んでほしい。
堀口 逸子,平川 あずさ