相続登記にかかる費用は? 司法書士報酬、必要書類の取得費用、税金を解説
5. 司法書士の費用・報酬
相続人が自分で相続登記を申請する場合には、登録免許税と必要書類の取得費用が主な費用となりますが、司法書士に登記申請を依頼する場合には司法書士に支払う報酬も必要になります。 5-1. 目安は5~15万円 少し古いデータになりますが、平成30年に日本司法書士会連合会が実施した報酬に関するアンケートの結果が公表されています。地域によって相場が異なり、同じ地域でも最低額と最高額に開きがありますが、相続登記の司法書士報酬は5~15万円くらいが目安と言えそうです。 5-2. 相続人の数や不動産の個数で報酬加算も ただし、司法書士の報酬は自由化されており、各司法書士が各々自由に規定することができます。それゆえに報酬については依頼する司法書士に直接問い合わせるしかありません。 一般的な報酬規程の定め方として、基本報酬を定めたうえで相続人の数や不動産の個数などにより報酬が加算されるパターンが多いです。 また、戸籍謄本等の取得や遺産分割協議書の作成を司法書士に依頼する場合には、別途報酬が発生することもあります。 前述のとおり司法書士の報酬は自由化されていますが、各事務所ごとに報酬の基準額を定めた「報酬規程表」を定める必要があり、それを依頼者に提示し説明する義務もあります。司法書士に依頼する場合には、正式に依頼する前に見積書の作成を依頼するか、少なくとも報酬規程表をもとに説明を受けて納得したうえで依頼することが大切です。
6. 相続登記費用の具体例
相続登記費用について、イメージしやすいように次のケースで説明します。 ◇ 所有者である朝日一郎が死亡し、その法定相続人は妻・正子、長男・太郎、長女・山田花子の3名(長男・長女はどちらも結婚している)。 ◇ 遺産分割協議の結果、土地建物は妻・正子が単独で相続することになった。 ◇ 固定資産税評価額は建物1000万円、土地3000万円 ◇ 妻・正子は戸籍謄本等の取得や遺産分割協議書の作成も含めて司法書士に依頼した。 添付書類は、除籍謄本や戸籍謄本、固定資産税評価証明書など含めて計10通が必要となり、その取得には計5000円がかかります。登録免許税は16万円、さらに司法書士報酬に11万円かかりますので、計27万5000円が、このケースでの相続登記費用の総額となります。 それぞれの費用の詳細は、下記の図にまとめましたのでご覧下さい。