20歳代から70歳代まで!単身世帯と二人以上世帯「貯蓄2000万円以上」の割合を比較
貯蓄2000万円でも油断できない理由3つ
「老後2000万円問題」の影響で、2000万円を貯めれば安定した生活が送れると認識している方も多いかもしれません。 しかし、実際には貯蓄が2000万円あっても安心とは言い切れません。その理由をいくつか見ていきましょう。 ●現金だけではインフレで目減りしていく インフレによって物価が上昇すると、現在の2000万円の価値が将来では大きく目減りする可能性があります。インフレ率が高いと、必要な生活費も増えるため、2000万円では十分な資金とは言えなくなるかもしれません。 このインフレによる現金価値の目減りを、多くの人が最近実感しているのではないでしょうか。 かつて「老後2000万円問題」が話題になった頃、日本はデフレの影響で物価が下がり続けていました。しかし、現在ではインフレが進行しており、2000万円という基準が安定した生活を支えるために十分かどうかも不確かになりつつあります。 ●資産運用にはリスクがある 2つ目の理由は、資産運用による価値の変動リスクです。 現金だけではインフレに対して脆弱であるため、投資信託などで資産運用を行っている方も多いのではないでしょうか。 確かに、インフレに強い株式や不動産などが組み込まれた投資信託を保有することは、インフレ対策として有効です。 しかし、その一方で、これらの資産は価格変動が大きいという特徴があります。8月には、日本の株式市場で歴史的な下げ幅を記録したというニュースが記憶に新しいでしょう。 長期的に見れば一時的な下落を過度に心配する必要はないかもしれませんが、全資産を投資信託のようなリスク性資産で保有している場合、急激な市場の変動により、生活費を捻出するのが難しくなる可能性もあります。 こうしたリスクを回避するためには、現金と資産運用のバランスを保ち、安定した資産形成を目指すのが理想です。 ●現役時代の生活水準を維持するなら不足する場合も 退職後も現役時代と同じ生活水準を維持しようとすると、予想以上にお金がかかることがあります。特に、旅行や趣味、家族との交流などにお金を使いたい場合、2000万円では不十分なこともあります。 これらの理由から、2000万円の貯蓄があっても、今後のライフイベントや経済環境の変化を考慮して、計画的な資産運用や追加で貯蓄しておく必要が出てくる場合があります。