アドラー心理学が教える「子どもにごほうび」4つの弊害 代わりに親があげるべきもの
子どもがいい事をしたら、ついごほうびをあげたくなってしまいますよね。しかし、「いい事をすると何かもらえる」と覚えた子は、「もらえないならやらない」という思考回路に陥ってしまう事も……。 【マンガ】「育てやすい子・そうでない子」の違いとは?第2子を産んで気づいたこと アドラー心理学カウンセリング指導者の岩井俊憲さんが、ごほうびをほしがる子への対処法を解説します。 ※本稿は、 岩井俊憲著、藤井昌子イラスト 『マンガでよくわかる アドラー流子育て【新版】』(かんき出版)から一部抜粋・編集したものです。
ごほうびのよくある例
ごほうびがもたらす4つの弊害
子どもがいいことをしたとき、ごほうびを与える親は多いようです。 しかし、子どもの行動をうながす道具としてごほうび(物・金銭・ほめ言葉)を与えると、じつは困った弊害があるのです…。 1.ごほうびをくれる人がいないと、適切な行動をしない ごほうびをあげることで行動をうながすという対応をしていると、子どもはごほうびをくれる人とくれない人を区別しながら行動するように。ごほうびがあると行動する、なければ行動しない子になる。 2.子どもが要求するごほうびが、エスカレートする 子どもを行動させるための誘発剤としてごほうびを与え続けると、子どもは、ごほうびが駆け引きの材料になることを覚えてしまう。 まず自分の要求を出し、それが受け入れられたときにはじめて行動する子になる。 また、子どもの要求を親がのんでいるかぎり、要求するごほうびがエスカレートしていく。 3.結果ばかり重視するようになり、ゼロか100 かの主義になりやすい ごほうびは行動のプロセスにではなく、結果に与えられるため、子どもの関心が結果だけに向きがちに。 ごほうびがもらえないとわかると、最初から行動しない子になる。 また、子どもの行動がごほうびによって左右され、子どもの発想がゼロ(まったくやらない) か100 (完全にやる)になる。 4.ごほうびがほしいがために、手段を選ばなくなる ごほうびはほしいけれど自分の実力では無理だと子どもが判断したとき、ごほうびを得るため、手段を選ばず行動してしまうようになる。