【独自解説】ウクライナによる大規模越境攻撃は、ロシアの「核使用」の条件に当てはまる?和平交渉を有利に進める切り札として狙いは「原発」か…戦争の行方と日本への影響とは
■「天然ガスの街」に攻め込んだウクライナの狙いは、ヨーロッパへのけん制?
各国は「仕方がない」という感じではあるのですが、アメリカとヨーロッパは同じ「仕方がない」でも言っているレベルが違います。ヨーロッパにはあまり「仕方がないな」と言っていられない事情があります。
ヨーロッパにはロシアに頼らざるを得ない部分があり、戦争の最中も、ロシアから天然ガスがヨーロッパに輸出されていました。今回ウクライナが攻め込んだ「スジャ」という街ですが、実はその天然ガスの大きなプラントがあるんです。 今ヨーロッパの中でもEUの議長国ハンガリーは、「もうロシアにもう領土をあげたらどうか」と、ウクライナにとって大変不利なことを言い始めています。そんな中、この「スジャ」をウクライナが狙って抑えたというのは、「ヨーロッパも真面目に考えてもらわないと、天然ガスの輸出の喉元を閉めますよ」という、ウクライナなりの戦略が見えるように思います。
■ウクライナの目標はロシア最大の原発?ロシアは死守する構え
さらに周りの国が大変警戒をしていることがあります。 ウクライナ軍はまだ進撃を続けているわけですが、あと50kmの距離を行けば、ロシア最大の原子力発電所、「クルスク原発」があります。ウクライナはここを目標にしているのが明白だ、とロシア側も発言を始めました。
この「クルスク原発」というのは、計画中のものも入れると原子炉が6基ありまして、今稼働しているのは2基といわれている大変大きな原発です。ただ一部の原発は、重大な事故を起こした「チョルノービリ(チェルノブイリ)原発」と同じタイプだと言われて、非常に管理が難しい原発でもあります。 すでに、ロシア軍は戦車が入ってこられないように、周りにお堀のような塹壕を掘り、死守する構えです。一方、ウクライナも「ザポリージャ原発」という大変有名な原発をロシアに抑えられていますが、原発を抑えられるということは、脅威になるというのが世界が得た教訓ですね。原発というのは全てが“特別”です。
■“最大”の原子力発電所を両国が狙う理由は、和平交渉を有利に進めるため?
さらにここで、もう一つ問題があります。ロシアとウクライナ、両国とも「最大級」のものを狙っている、ということです。 ウクライナは、「ロシアが今回のことを受けて欧州最大級の『ザポリージャ原発』を攻撃したと」、とSNSで発信しています。写真からは真っ黒な煙が出ているように見て取れますが、ロシアとウクライナお互いが、「タイヤを燃やしている」とか「無人機でウクライナに攻撃された」などと言っており、「国際原子力機関」の調査でも原因は分からないということです。しかし、ロシアが占領しているということは間違いありません。
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