「8000万円で買った部屋を1億3000万円で売った」「買った部屋で副業をやれば儲かる」…儲け話をかぎつけた中国人が晴海・湾岸タワマンを爆買い中!
30億円でポンと買う
日本のタワマンバブルの熱源となっているのが、チャイナマネーだ。中国の情勢不安、不動産バブル崩壊、さらなる投資先の開拓……様々な理由から、リッチチャイニーズが日本のタワマン爆買いに熱をあげている。中国人専門の不動産仲介業者の社長が明かす。 【一覧】こんなに上がるのか…!直近5年で爆騰したタワマン「ベスト120」を見る! 「本物の金持ち中国人は、白金や麻布、六本木のタワマンを買っています。最近では、建設当時8億円で売られていた六本木のタワマンの一室を30億円で中国人に売ったという話を不動産仲間から聞きました。もとの所有者も中国人で、本来は転売を禁止されている物件だったのですが、『法的な制約はない。中国人から中国人に所有者が代わるだけだ!』と言いくるめられ、強引に話を進められたそうです」 これは極端なケースかもしれないが、中国人が日本のタワマンに熱い視線を注いでいるのは間違いない。中国版インスタグラム「RED(小紅書)」を開き、検索ワードに「日本 塔楼(タワマン)」と打ち込めば、 〈'20年に8000万円で購入した湾岸タワマンの一室を、1億3000万円で売りました。その方法を教えましょう〉 といった儲け話が続々と出てくる。日本はいま、中国人のマネーゲームの攻略最前線となっているのだ。 最も過熱しているのが東京の湾岸エリア、特に人気なのが豊洲・晴海だ。東京五輪の選手村跡地に建てられたマンション群「晴海フラッグ」は、販売価格が割安だったこともあり、販売開始から申し込みが殺到。'23年1月には平均倍率71・1倍、最高倍率は266倍に跳ね上がった。10月21日には来年完成予定のタワマン2棟の販売抽選会が行われ、最も人気の部屋への応募は241倍に達したという。
中国人が晴海フラッグを愛する理由
正確な人数こそ公表されていないが、晴海フラッグの購入者のなかには、複数の中国人がいるという。「友人や仕事仲間の名前を借りて、一人で20部屋を購入した中国人がいる」なんて都市伝説のような話も聞こえてくるほどだ。 「中国人は『風水的に良い』という理由で、海や川に囲まれた地域を好みます。湾岸一帯はこの条件を満たしているうえ、晴海は他の地域と比べれば格安。長く日本に住んでいる中国人が買ったり、本格移住を目的として買った人もいますが、転売目的や買った部屋を違法に貸し出す『民泊ビジネス』を展開している中国人オーナーもいる。 国外への現金持ち出しには制限があるので、中国と香港で投資会社を設立して、その海外子会社の名義で日本の不動産を購入するというスキームが流行しています」(前出の不動産仲介業者の社長) さらにこの社長は「湾岸地区のタワマンすべてがそうだとはいわないが」と言いながら、こんな実情を明かした。 「転売目的で買った中国人オーナーのなかには、投資効率の最大化を考えて、部屋をこっそり改装して高級な鍼灸・マッサージの部屋にしたり、ヨガ教室にしたりする人もいます。評判のいい日本人インストラクターに接触して、『タワマンの一室で個人サロンをやらないか?』と誘うのです。 お客は自分の中華系コミュニティーのなかで呼びかけて集める。インストラクターにおカネを払っても、1日数万円の上がりが出ると聞きます。普通に部屋を人に貸すより、よほど儲かる。カネ儲けに関する中華系のセンスには、舌を巻きます」 後編記事『知らない間に晴海・勝どきに「隠れガチ中華」が林立…!?まもなく、湾岸がチャイナタウンになる日がやってくる』へ続く。 「週刊現代」2024年11月16日・11月23日合併号より
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