「最初から右投手は竹田祐選手という評価」DeNAスカウト部長が明かすドラフト全戦略…「優勝“し続ける”」ための“第3世代スカウティング”とは
育成は高校生3人
そして将来性を考慮した育成ドラフトだが、今回は3名の高校生を指名した。 育成1巡目指名は、外野手の小針大輝(日大鶴ケ丘高)。 「柔らかさも兼ね備えたパンチ力のあるバッティングは魅力的です。身長が191cmもありながら俊敏性もあり、それだけでポテンシャルの高さを感じる選手です。編成上、若い外野手が薄く、彼はどうしても入団してほしいと思っていた選手だったので、ほっとしました。日大鶴ケ丘高校の萩生田博美監督のご指導のおかげで、ガツガツ真剣に野球に向き合える下地ができているうえに、チームメイトや学校の教師陣からも信頼が厚いということで、間違いなくプロに入って伸びるタイプと考えています。まわりの選手にもいい影響を与えてくれると思います」 育成2巡目指名は、投手の吉岡暖(阿南光高)。 「いい真っすぐと変化球を持っていて、独特な二段モーションからリリース時にバチッと強くハマる感じはすごく将来性を感じます。普段は穏やかなタイプのようですが、マウンドに上がると強気な感じが顔を出す。ゲーム内で流れを読む投球術も持ち合わせているので、ぜひうちの環境で力を伸ばしてもらいたいですね」 育成3巡目指名は、投手の金渕光希(八戸工大第一高)。 「育成2巡目の吉岡選手もそうなのですが、金渕選手がここまで残っているとは驚かされました。長身から投げ下ろす強いストレートに、決め球になるスライダー。体格的に横にも大きなピッチャーで、バックネット裏から見ていると迫力があって、怖さを感じる左腕です。下半身の強さを中心にまだまだ鍛えがいのある選手と見ていますし、これから体のキレも高め、どんどん洗練されていって欲しいですね」 以上が交渉権を獲得した選手たちの寸評となるが、長谷川氏がスカウト部長として選手を見極める上で大切にしてきた部分はどこだろうか。 「うちは選手の能力だけではなく、最新のデータや動作解析、フィジカル的なところやメンタルの分野まで積極的に評価に採り入れていますが、結局は選手の“ハート”と“考え方”を注視しています。うちのコーチ陣・スタッフ陣と話していると、まず出てくるのは技術的なことではなく、選手自身の取り組む姿勢・考え方についてなんです。野球の能力の高さも大事ですけど、結局はそこが一番肝心なんだと。ここの見極めに、1年間スカウトの方々には頑張ってもらいました。プレー中の姿だけではなく、試合前後の行動やベンチ内での立ち振る舞い、日々の練習での姿、関係者への調査も含め、12球団で一番足と頭を使ってくれたと自負しています」
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