「最初から右投手は竹田祐選手という評価」DeNAスカウト部長が明かすドラフト全戦略…「優勝“し続ける”」ための“第3世代スカウティング”とは
本格派右腕の篠木、走攻守とも高水準な加藤
そして2巡目で指名されたのが篠木健太郎(法大)だ。東京六大学を代表する本格派右腕であり、最速157キロのストレートを軸にキレの良いスライダー、フォークを武器とする奪三振能力の高い投手である。 「先発として評価をしていますが、リリーフでもいけるタイプ。フィールディングも軽快にこなし、バッティングも良く、野球センスを感じさせる選手です。昨年までは視察をしていると、投げるたびに振り返ってスピードガンを確認する姿があって、まだまだ成長の余地があるなと感じていたのですが、今年の春からは球速を抑えながらも落ち着いたピッチングができるようになったのが印象的です。そこは大島公一監督や今年からピッチングコーチも務めている髙村祐助監督の指導のおかげだと感じています。また常にチームの勝利に対して貪欲で、毎試合必死にプレーしている姿も非常に評価しています」 3巡目指名は、東洋大に在籍しながら独立リーグでプレーした加藤響(四国IL・徳島)。右打ちのショートで、高い守備力と隙のない走塁、力強いスイングからの長打力が魅力の選手だ。四国ILではベストナインにも選出されている。 「チーム編成上、右打ちの内野手というのはポイントだったので、彼のポテンシャルの高さに惹かれました。また、一時期野球から気持ちが離れたようなのですが、仲間たちの助けもあり、自分だけではなく、チームが勝つために野球をやるということに気づけたという成長を見せたのも評価した部分ですね。また彼は厚木出身で、少年時代はベイスターズジュニアに所属していたこともあり、そんな切っても切れない縁も感じています」
下位指名も投手と内野手を補強
4巡目は、若松尚輝(四国IL・高知)。大学3年生から投手を始め、高スピンの伸びるストレートを低めに制球できる、まだまだ伸びしろを感じさせる存在だ。 「彼もまた先発、リリーフの両方で対応できるタイプと見ています。まだ投手歴が浅いということもあり、うちのコーチ陣・スタッフ陣に預けたらもっと能力を伸ばすのではないかといった期待もあります。非常に楽しみな存在ですね」 5巡目は、本指名では唯一の高校生となった田内真翔(おかやま山陽高)。走攻守バランスの取れた右打ちのショートで、打撃では癖のないスイングで高いOPSを残す、将来が楽しみな選手だ。 「実は今年の高校生ナンバーワン野手として評価していた選手です。編成上、5巡目の指名になりましたが、本当に交渉権を得ることができて良かったと思っています。走攻守はもちろん、特にバッティングの面で秀でたところがあり、1年生のときから注目していました。なによりも、とにかく夢中で野球に向き合っている姿に心打たれましたし、その部分はプロに入った後も彼の最大の長所になると感じています。これもおかやま山陽高校の堤尚彦監督の指導の賜物だと思います」 6巡目は総合力の高い右腕の坂口翔颯(國學院大)。最速153キロのストレートに多彩な変化球とハートの強さが魅力の投手。1年秋はリーグで5勝を挙げ、最優秀投手とベストナインを獲得したが、近年は右肘の故障などケガに悩まされてきた。 「能力はもちろんですが、人間性も素晴らしく、チームを勝たせることを最優先に考えることができる選手だと評価しています。ただ彼の場合は、まずしっかりと肘のメンテナンスをするところからプロ生活をスタートして欲しいと考えています。故障がなければ、間違いなく上位指名の選手ですし、中長期的な目線で非常に期待値の高いピッチャーですね」 以上が本指名6選手であるが、チーム事情を鑑み、即戦力となり得る投手と、ショートとサードを守れる右打ちの内野手というように狙いがはっきりとした人選だった。
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