「一番でいたい。老害と呼ばれてもね(笑)」50歳になった“デスマッチのカリスマ”葛西純が「リングの上なら死んでもいい」と言わない理由
「満身創痍、痛いところがあるのは当たり前」
逆に言えば、葛西が「デスマッチの翌日でも傷がパックリ開いてたりしなければジムに行く」のは「騙したりごまかしたくない」からだ。 「自分を騙して“50歳じゃない、レベル50だ”っていうのはいいけど、お客さんを騙したりごまかしたくないんでね」。ベテランの味に頼らない。だから葛西純は最前線を走ることができる。 「プロレスでも他のスポーツでもそうだけど、キャリアを重ねたら満身創痍、痛いところがあるのは当たり前でね。でもそこで“うまくごまかして”、“騙し騙しやる”みたいな感覚は違うなと。それを言うなら“うまく付き合う”なんですよ」 葛西にとって、ケガの痛みは「空気みたいなもの」だという。 「そこにいるのが当たり前で、なおかつ向き合うべきもの。言ってみれば夫婦ですよ。機嫌が悪い時だってあるけど、それも含めて夫婦でしょ。ケガで首が痛い、腰が痛い、両ヒザが痛い。それも同じなんですよ」 息子は20歳、娘は7歳。「普通のサラリーマンのお父さんよりは家にいられる時間がある」から、娘と遊びに出かけることも多い。曰く「付き人稼業」。そんな光景を、葛西はSNSでファンに見せる。プロレスラーは雲の上の存在だとは考えていない。むしろ試合とのギャップを見せたい。
「リングの上なら死んでもいい」と言わない理由
9月9日の誕生日は、いつも通りに過ごした。 「家族は“お寿司でも取ってお祝いしようか”と言ってくれたんだけど、そういうのは子供たちだけでいいよと。夜、ジムに行って帰ってきたらみんな寝てましたね(笑)」 リングでの非日常と家族との日常を行き来しながら、葛西純は生きている。デスマッチで大量の血を流しながら「リングの上なら死んでもいい」とは言わない。 「生涯現役。それが天命だと思ってますね。壮絶な試合でお客さんをガンガンに盛り上げて、車を運転して家に帰って、風呂入って晩酌して寝る。そこまでがデスマッチですよ。で、翌朝になったら布団の中で冷たくなってる。それが理想の終わり方ですね」 リング上では死なない。でも死ぬまでプロレスラーでありたい。プロレス以外の人生は考えられないと言う。 「若くてイケイケの頃は、俺も“リングで死ねたら本望”なんて思ってたけど。そういうヤツは本当に死を意識したり、死に直面したことがないんですよ」 葛西が死を意識したのは、アメリカ遠征の時だった。試合後に低血糖と脱水症状で倒れ「このまま死ぬんだな」と感じた。それ以降「生きて帰るのがデスマッチ」と考えるようになった。相手の攻撃を受ける、やられても立ち上がる。それがプロレスだ。その“耐えて立ち上がる”要素を極限まで拡大して見せるのがデスマッチだと言っていい。
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