【スピードスケート】高木美帆が練習公開、日本勢最多W杯34勝目へ「自分の目指すものに貪欲に」
スピードスケート女子で22年北京冬季五輪金メダルの高木美帆(30=TOKIOインカラミ)が10日、長野・エムウエーブで練習を公開した。今季はW杯4勝を挙げて、通算33勝に到達。清水宏保、小平奈緒が記録した日本勢最多34勝(個人種目)にあと1勝と迫っている。24日からカナダ・カルガリーで行われる第3戦で記録更新を狙う。26年ミラノ・コルティナ五輪のプレシーズンで躍動する。 ◇ ◇ ◇ 金、銀、銀、銀。22年北京五輪での功績をたたえる横断幕がリンク脇に飾られた練習場。高木は、その前を仲間と隊列を組み、何十周も回り続けた。ときおり明るい表情を見せ、好調さをうかがわせた。 今季2戦で早くも4勝を積み上げた。昨年11月の第1戦で1000メートル、1500メートルを制覇。1週間後の第2戦でも同じ2種目を制し、開幕2戦で4勝を挙げた。ただ「納得したレースはできていない」と、満足感はない。4つのメダルを獲得した北京五輪前も、前半は好調だったが、後半は一転した。「めっきり勝てなくなった。そんなに甘くない」と気を引き締める。 16年12月のW杯初勝利から8年以上が経過した。表彰台の真ん中に33回上がり、個人種目で小平、清水に並ぶ日本勢最多勝利まであと1勝。秒読み段階だが、記録に関する質問には「そういうのはキライ。興味がない」と笑った。「他の人と種目数が違うだけ。比較できない」と謙遜した。 来季には4度目の五輪を控える。最大の目標は「1500メートルで金メダル」と設定。そのために前回大会の5種目から3種目に減らす可能性も示唆した。「自分の目指すものに貪欲に向かって行けたら」。日本勢W杯最多勝の称号を手に、五輪を目指す。【飯岡大暉】