待望の女性専用サウナ施設が誕生!身体も心も“治まる”日本式サウナ「スゴイサウナ東麻布店」に行ってきた
2024年夏、東京・東麻布に女性専用サウナがオープンした。赤坂にある男性専用サウナ「スゴイサウナ」の2号店として誕生した「スゴイサウナ東麻布店」は、江戸時代の湯治文化を令和にリバイバルした“日本式サウナ”だという。気になる要素がいっぱいの同店に行ってみた。 【写真で見る】女性専用サウナ「スゴイサウナ東麻布店」 ■体温上昇に特化した「日本式サウナ」 「スゴイサウナ東麻布店」がオープンしたのは、東京メトロ・都営線の麻布十番駅から徒歩約5分の場所。大通りから一本裏通りに入った静かな住宅街に「スゴイサウナ東麻布店」はある。男性専用サウナは数あれど、なかなかない女性専用施設が都心の好アクセス地にできたのはうれしい限り。 予約しなくても入れるが待ち時間が生じるのが嫌なので事前予約して訪れた。受付を済ませたらタオルやガウンを受け取って脱衣所へ。オープン時は水着着用となっていたが、10月1日から水着なしでもOKになった。どちらにしても2階を利用する場合はガウン着用がマストになる。水着がないほうが個人的にはおすすめ。体もしっかり洗えるし、休憩するときも水着の水分がまとわりついて体が冷えるので、しっかり体を拭いてガウンを着るほうがいい。ちなみに水着はレンタルでき、料金に含まれる。 脱衣所は白を基調とした清潔な空間でコンパクト。ウォーターサーバーもあるので水分補給をしてから浴室へ。「てりむくり」という日本建築で凸凹の滑らかな反転曲面を描く形状をイメージした造りになっている。目の前には薬草湯、炭酸泉、水風呂の3つの浴槽がある。さっそく髪と体を洗ってサウナへの準備。 ■「治まるサウナ」とは? ふと壁を見ると「治まる方法」が書かれている。「治まる」というのはほかのサウナ施設では聞かないフレーズ。どういうことなのか。ここでは、日本古来の「湯治」を現代版にリバイバル。装置から開発したというマグマスパ式サウナで、サウナで“治まる”、湯治ならぬ「サ治」がテーマなのだという。これは初めましてなので「治まる方法」に沿って体験してみることに。 壁に書かれた「治まる方法」によると、 1. シャワーで汗や汚れを落とします 2. サウナで五分入ります 3. 外気浴で五分ゆっくり深呼吸を行います 4. お好きなお風呂に首まで浸かり五分入浴します 5. 外気浴で五分ゆっくり深呼吸を行います という順で、「直腸温度を上昇させ、様々な湯と洋岩石の融合利用で更に皆様の血流や血管を拡張させます」とある。 この「治まるサウナ」は温活プロデューサー・パーソナルトレーナーの山口絵里加さんがプロデュースしたもの。サウナの温度は約65度だが最速で発汗でき、深部体温を1度上昇させることができるという。現在、深刻な問題である低体温化を解決すべく、山口さんのトレーナーとしての知識と経験をこの施設に入れ込んだそうだ。 さらに光と音響のプロフェッショナルチーム、脳科学の専門家が脳に与えるさまざまな刺激を考慮した、“光・音・熱”による演出も特徴。肌が潤う湿度と温度のバランスを考えたサウナ室は、自律神経のバランスを調える音の周波数と、光と影の演出による脳の活性化を期待できる空間になっていて、心身の疲れが癒やされるという。 ■体の中から温めるサウナと温かいお風呂 ということで、「治まる方法」に基づいて、髪と体を洗ったあとにサウナ室へ向かう。世界3カ国で特許を取得する天然溶岩石を水蒸気で温める特殊技術を活用。富士山溶岩浴をしのぐ温め効果と発汗作用があるといい、温度は65度ながら体感温度はかなり高く、なかなか熱い。ただ、体の表面が熱くなるのではなく中まで温まっているようで、これが低体温の改善につながるそうだ。 また、湿度もかなりしっかりあって、とにかく汗をかく。普通に座るのもいいが、一番下では横になることもでき、全身に均等に熱が伝わる感覚になる。これは一度体験してほしい。そして自然界のさまざまな現象からインスピレーションを受けたという光のモチーフや、ソルフェジオ周波数を用いた音楽で、心身ともにリラックスした状態に導いてくれる。 サウナに5分入ったら外気浴へ。ここで5分、ゆっくり深呼吸をしてみる。一応、サウナには5分入ると書かれているが、時間を気にして自分の心地いい感覚を見失うのはもったいないので、時間はあくまで目安として自分のペースで。体感温度も高めで早々にしっかり汗をかくので、無理はしないようにしよう。 外気浴は更衣室にある階段から2階に上がる。ちなみに、2階を利用するにはガウンとドリンクバー代としてプラス700円が必要だ。サウナ室から出たら汗を流して、体を拭いて、ガウンを羽織って2階に向かう。ちょっと忙しい感はあるが、休憩用の椅子に横たわると何とも言えない脱力感。これは気持ちいい。 しっかり休憩したら、今度はお風呂へ。薬草湯と炭酸泉があるので、好きなほうに入ってOK。薬草湯は季節ごとに調合した薬草を使用。独特の香りにも癒やされる。炭酸泉は言わずと知れた炭酸ガスが溶けたお湯で少しぬるめの設定。こちらは寝湯になっているので、全身の力を抜いて体中に炭酸が行きわたるようにゆっくり入ろう。 お風呂のあとは再び外気浴へ。同じように5分ゆっくり深呼吸をする。2階には休憩スペースもあるので、外気浴の代わりにここでゆっくり休憩してもいい。また、ドリンクバーも利用できるので、水分補給も忘れずに。2階を利用しない場合は脱衣所にあるウォーターサーバーで水分補給をしよう。 浴室内には照明を暗く設定した「治まり処」や、さらに暗い「瞑想ルーム」があり、ここで休憩してもいい。オリジナルのヒバの香りの中、深呼吸をしてみる。何ともすがすがしい気持ちで、呼吸とともに心身の余計なものを外に吐き出せるような、汗とともに流してくれるような、すっきりした感覚になる。 ■治まるサウナでは水風呂に入らなくてもいい さて、ひと通り「治まる方法」を体験してみてちょっと気になることが。そう、水風呂に入るという行程がないのだ。これまで、サウナ→水風呂→外気浴を1セットとして紹介してきたし、多くのサウナ施設ではそうした入り方が定番になっている。が、ここ「スゴイサウナ東麻布店」の提案する「治まる方法」では必須ではない。 これは水風呂が苦手という人にもかなりトライしやすい。とはいえ、ここにも水風呂はちゃんとある。その理由をスタッフの方に伺うと、「治まる」ためには必ずしも必要ではないが、サウナのあとには水風呂に入りたいという人も一定数いるので設置しているのだそう。ということで、水風呂は任意で。 入っても入らなくてもいいというが、水風呂もかなりのこだわりが。富士山溶岩によって作られた水風呂に、独自のろ過システムを使用した鉱石水をチラー循環させている。pH7.4という滑らかな肌触りの柔らかい水で肌にやさしく気持ちがいい。これは入らないのはもったいないレベル。どうしても苦手という人はともかく、水風呂に入れる人にはぜひ試してほしい。 「スゴイサウナ東麻布店」は時間制で、1回90分。90分を過ぎると自動的に10分250円加算されるシステム。さらに2階の外気浴やドリンクバー、休憩スペースを利用するには別料金がかかる。水着着用でも裸でも利用できるなど、いろいろ自分の好みで組み合わせて楽しめるのも魅力。公式LINEに登録すると初回限定クーポンで、90分2000円で利用でき、さらに10、11月限定2階利用料も無料となっているので、この機会にぜひ「治まるサウナ」を体験してみよう。 取材・文=岡部礼子 ※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。