ラグビー「知っちゅう?」 出前授業で普及に奮闘する高知中央
第104回全国高校ラグビー大会で30日、6大会連続10回目出場の高知中央が2回戦に臨んだ。2019年のラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会までラグビーの認知度が低かった高知県。県予選でも今年の参加校はわずか3校だった。高知中央の西川誠(せい)山(ざん)部長(52)は選手らと小学校などに赴いて出前授業や教室を開き、普及活動に取り組んでいる。 【写真特集】高知中央ー常翔学園(2回戦) 小学校の学習指導要領にはタックルの代わりに腰に付けたタグを取り合う「タグラグビー」が盛り込まれているが、やり方が分からない教員も多い。そこで、16年ごろから県ラグビーフットボール協会は県スポーツ課と組んで出前授業を始めた。普及の中心を担う西川部長は「少しでも早い段階で興味を持ってもらい、楕円(だえん)の球に慣れてもらえたら」との思いで、翌年には幼稚園や保育園でも行うようになった。保護者からは「ラグビーは教育的価値がありますね」という声が寄せられたという。 また、放課後児童クラブでタグラグビー教室をしたり、指導者向けの講習会を開いたりしている。 W杯日本大会でトンガが高知で合宿を行ったことや、普及活動の効果もあり、これまで地元のラグビースクールの登録人数が40~50人だったのが、多い時で100人を超え、現在は80人程度まで増加したという。西川部長は「今では『知っちゅう』と言う子どもが増えた」と話す。 出前授業などには高知中央の選手らも参加。トンガ人留学生は特に人気で、「大きくて優しい」と評判だという。 平田馳(ち)空(から)主将(3年)は「小さい子が僕たちの活躍を見て、ラグビーをやりたいとか花園に出たいと思ってくれたらうれしい。ラグビーをどんどん普及させて参加校も増やして切磋琢磨(せっさたくま)できる県にしたい」と話す。 この日の2回戦は常翔学園(大阪第3)に14―81で敗れたが、今大会は13年ぶり2度目の初戦突破を果たした。 西川部長は「花園での初戦突破や今後の活躍で認知度向上や普及につながるよう頑張りたい」と話し、ゆくゆくは同校への入学や入部にも期待を寄せる。 【峰本浩二】