泊原発の再稼働審査、北海道電力が説明ほぼ終える 「大きく前進」
北海道電力が再稼働をめざす泊原発(泊村)について、北電は24日、再稼働への審査をしている原子力規制委員会に、審査項目の説明をほぼ終えた。年明けからは規制委が検討を深め、妥当と認めれば、事実上の合格を示す「審査書」案づくりなど大詰めに入る。 北電は、論点について一通りの説明を終えたとして「(再稼働に必要な)原子炉設置変更許可取得に向けて大きく前進したと考えている」との談話を出した。 北電は泊の原発3基のうち3号機の再稼働をめざし、2013年に審査を申請。規制委はこれまでに、耐震設計で想定する最大の揺れ「基準地震動」や津波対策の目安となる「基準津波」(原発を襲う最大の津波)、原発の周りにある火山の活動といった自然災害が原発に与える影響について、北電の主張をおおむね認めた。 北電はいま、新しい基準津波に対応するため、高さ19メートルの防潮堤の整備などを進めていて、27年3月末には3号機の安全対策工事を終えたい考えだ。その前に規制委の審査に「合格」すれば、早ければ27年夏には再稼働できる可能性があるとみる。 ただ、津波対策の不備を指摘して運転差し止めを命じた札幌地裁判決と、この訴訟の控訴審が続いていて、再稼働に向けて想定通りに進むかは不透明だ。(上地兼太郎)
朝日新聞社