Google、サードパーティ Cookie 廃止を撤回:広告業界に混乱と期待
Googleが、ChromeブラウザでサードパーティCookieを廃止しない方針と発表した。だが、広告会社の幹部らは、ようやく胃薬を買いだめしなくても済むようになるのか、確信を持てないでいる。 米国時間7月22日に明らかにされたこの方針転換は、多くの人に驚きを持って受け止められた。それは、GoogleのCookie廃止計画が必ずうまくいくと信じていたからではない。度重なる延期にもかかわらず、Googleが廃止を断言していたからだ。 正確にいえば、2020年以降、この計画は3度延期された。そして、延期されるたびに、Cookie廃止の新たなスケジュールは曖昧になり、広告幹部のあいだで不信感が高まっていった。公平を期するためにいえば、Googleは事態を収拾しようとしていた。
広告業界の反応
助成金を支給したり、「プライバシーサンドボックス(Privacy Sandbox)」開発チームとのミーティングを開催したりしていたのだ。だが、こうした努力も、人々の不安を鎮めるには不十分だと感じられることが多かった。 つい7月中旬には、パブリッシャーとアドテクの幹部らが、Googleのプライバシーサンドボックスの代替品に対して行われた最近のテストに懸念を表明していた。エージェンシーでさえ、これら代替品の大規模なテストを推進するのをやめていた。サードパーティCookieの廃止を見据えたGoogleの計画は、途中から行き場を失っていたのだ。 その代わりに、Googleは少なくとも外部から見る限り、Appleの計画を模倣しているかのような仕組みを作り上げていたようだ(Appleは、自社デバイスでサードパーティによるトラッキングを排除しようとしている)。もっとも、これは現時点で判明しているわずかな情報に基づく憶測にすぎない。 Googleのプライバシーサンドボックス担当バイスプレジデント、アンソニー・チャベス氏は7月22日付のブログ投稿で、Googleは「Chromeに新しいエクスペリエンスを導入する予定」だと述べ、「これにより、ユーザーは十分な説明を受けた上で、ウェブ閲覧全体に適用される選択肢を与えられるようになり、またその選択をいつでも変更できるようになる」と説明した。 いまのところ、Googleが明らかにしている内容はこれだけだ。このエクスペリエンスがChromeユーザーにとってどのようなものになるのか、どのような見た目になるのか、どのように機能するのかなど、詳細はまだわかっていない。一方、広告業界は初期の反応から判断する限り、完全に白けているといっていいだろう。