成人の8割が抱える「尿トラブル」 膣圧、男性機能の改善にも効果的な「簡単トレーニング」とは
「ふくらはぎのむくみ」に注目
さらに、夜間多尿の原因で近年注目されているのが「ふくらはぎのむくみ」です。日中、尿として排出されるべき水分が筋力不足などで下半身にたまって「むくみ」になり、これが就寝中に体が水平になることで膀胱に送られ、夜間の尿量が増えるというわけです。 この場合、両足をクッションの上に置いて15分ほど横になる「足上げ寝」や、夕方のウォーキング、夕食後にふくらはぎを下から上へ向かって軽く圧迫するマッサージなどで、症状を改善することができます。
おならを我慢する感覚
さて、続いては多尿と並ぶ頻尿のもう一つの原因である蓄尿障害、とりわけ過活動膀胱の対策についてお話ししましょう。過活動膀胱は往々にして膀胱の周囲にある「骨盤底筋群」という筋肉の緩みが原因になっていることが多い。そのため「骨盤底筋トレーニング」によって骨盤底筋を鍛え直すことが重要です。 骨盤底筋群は、男女ともに骨盤の底にあり、膀胱や直腸、子宮などの骨盤内にある臓器を下から支える役割をしています。骨盤底筋が緩むと膀胱や尿道が正しい位置から下がってしまい、尿道をうまく閉じることができなくなるため、排尿コントロールがうまくいかなくなるのです。 骨盤底筋トレーニングは、筋肉が動いている実感がつかみづらく、初めのうちは難しいと感じるかもしれませんが、慣れてしまえば簡単。一言で言えば、おならを我慢するときに肛門をキュッと締める“あの動き”。あるいは、おしっこをしている最中に、キュッとおしっこを止める“あの動き”。それを繰り返すのです。 手順は、上図のような基本姿勢で、 (1)おならを我慢するように肛門を締め、そのまま女性は膣と尿道を、男性は陰茎の付け根を締めて頭側に引き上げるような感覚を10秒間キープする。 (2)さらに強い力で、1~2秒間短く締める。 これを1セットあたり10回程度繰り返すだけ。休憩をはさみながら1日6セットほど行います。このトレーニングを2~3カ月続ければ、筋肉が太くなってきて効果が表れるはずです。