成人の8割が抱える「尿トラブル」 膣圧、男性機能の改善にも効果的な「簡単トレーニング」とは
頻尿の原因は主に二つ
例えば、物を持ったときや、咳やクシャミの瞬間、笑ったときなど、お腹に力が加わった際に起こる尿漏れなら「腹圧性尿失禁」。尿意切迫感があり、トイレに間に合わず漏れてしまうなら「切迫性尿失禁」が疑われます。切迫性尿失禁は腹圧性尿失禁と違い、漏れる量が多いのが特徴です。 それから、尿意がないのに漏れる、または尿意はあるのに出せないけれど下着にチョロチョロと尿漏れするのであれば「溢流(いつりゅう)性尿失禁」の可能性が。また、男性には、排尿後すぐにジワジワと下着の中で漏れる「排尿後尿滴下」という症状もあります。 話を頻尿に戻しましょう。 膀胱炎や膀胱がん、尿管結石などの疾患がない場合、頻尿の原因は主に尿量が多過ぎる「多尿」と、尿の容れ物である膀胱に問題がある「蓄尿障害」とに分けられます。 過活動膀胱は蓄尿障害の代表です。もし1回当たりの尿量が100~150ミリリットルしかなく、おしっこの際に尿意切迫感を覚えるならば、過活動膀胱の可能性が高い。一方、1回当たりの尿量が300~400ミリリットルあるのにトイレが近い方は多尿が疑われます。
一筋縄でいかない「夜間多尿」
多尿の原因はズバリ水分の取り過ぎです。夏場の熱中症対策などで余計に水分を摂取している人は、当然、尿量が増えて頻尿になります。このタイプの頻尿は水分摂取量を適正量に戻すだけで改善することが多い。 持病のため医師の指示がある場合を除いて、一般的に飲料水による適正な水分摂取量は1日1000~1500ミリリットル。排尿日誌に水分摂取量も逐一書き込んで、取り過ぎている人は適正量に戻してみましょう。また、紅茶やコーヒーに含まれるカフェインには利尿作用があるため、そのような飲み物は避けるようにします。多尿が原因の頻尿は、これだけで症状が改善してしまうこともあります。 一筋縄ではいかないのは、「夜間多尿」と呼ばれる、夜だけ尿量が多くなる症状です。さきほど昼の頻尿と夜の頻尿の話をしましたが、高齢者の中には「昼間はそうでもないのに夜だけ頻尿になる」という方も多い。 「就寝中のトイレの尿量」と「翌朝一番のトイレの尿量」を足したものが、1日全体の尿量の3分の1を超えるようなら夜間多尿ですから、排尿日誌をつければ夜間多尿かどうかは簡単に分かる。ただ、その原因はさまざまで、夕方以降の水分の取り過ぎだけでなく、夜中のおしっこを抑制する「抗利尿ホルモン」の加齢に伴う減少、それから、糖尿病や高血圧が原因になっていることもあります。