「岸田派解散」は麻生氏・茂木氏への「決別宣言」
麻生氏、茂木氏の後ろ盾を切ることで、主流派の入れ替えへ
飯田)岸田総理は「やるときは大胆にやる」という話を聞きますが、後ろ盾を切ってしまうのはかなり大胆ですよね。 須田)そうすることで無派閥を含め、非主流派の協力が得られると考えているのかも知れません。例えば菅さんなどが、その中核になる可能性もあります。主流派の入れ替えという。 飯田)ダイナミックな動きかも知れませんね。しかし、菅さんの岸田総理への評価は低いと言われていますが、どうなのでしょうか? 須田)とは言っても、いまは岸田さんの後継がすぐに出てくるような状況ではないので、しばらくは岸田さんを支えなければならない。そういう現実路線なのではないでしょうか。その間に次のポスト岸田を育てていく。あるいはそういった人たちに求心力を持ってもらう思惑があるのではないかと思います。 飯田)今回の策が功を奏しているかと言うと、微妙なところがあります。22日の朝日・読売新聞の世論調査によると、支持率は朝日新聞が23%、読売新聞が24%で、内閣支持率は上がっていません。 須田)内閣支持率は低空飛行が続いているのですが、例えば読売新聞の世論調査だと「岸田首相が岸田派解散を表明したことへの評価」に関して、「評価する」が60%、「評価しない」が29%となっており、派閥解消を評価する国民・有権者は多いのではないかと思います。
岸田派解散のきっかけになった石川昭政議員の「派閥解消」の訴え
須田)もう1点、1月16日に開かれた政治刷新本部では、岸田派解散の1つのフックになるような動きがありました。自民党職員から国会議員になった方で、無派閥でありグループに所属しないことを貫いている石川昭政衆院議員が、総理の目を見据えて「『隗(かい)より始めよ』で岸田派から解消して欲しい」と迫ったのです。 飯田)そうなのですね。 須田)岸田さんのなかでは、岸田派の解散を暖めていた部分があったのだと思いますが、周りから止められて、なかなか表に出すことができなかった。石川さんが迫ったことで、岸田さんが翻意したわけではないと思いますが、1つのきっかけになったのではないでしょうか。