「岸田派解散」は麻生氏・茂木氏への「決別宣言」
岸田政権の裏テーマは「安い国・日本からの脱却」 ~積極財政との親和性もある
飯田)主流派の入れ替え等々で政策がどう変わるのか。情報交換会の発起人の方々の顔ぶれを見ると、積極財政を主張するような方も入っています。いままで「岸田総理は増税するのでは」などと言われていましたが、その辺りも変わってきますか? 須田)岸田政権の経済政策・財政政策に関する裏テーマは、「安い国・日本からの脱却」なのですよ。適切な物価上昇を継続させ、よいインフレにする。いま、よいインフレと悪いインフレを一緒に語るメディアや国会議員が多いのですが、例えばアメリカの物価上昇率は8%あります。確かに食事の価格などは高いけれど、それでも普通に生活している。なぜかと言うと賃金が上がっており、高所得になっているからです。例えばアメリカ・ニューヨークでは新卒の初任給が月収50~60万円です。そのような状況をつくっていくのが、岸田政権の裏テーマになっている。そう考えると積極財政を進めなければならないですから、その辺りは親和性があるのだと思います。
「3年間で非社会保障費の純増が1000億円」の縛りを覆すことができるか
飯田)岸田さんはいまのところ「賃上げ」と言っていますけれど、それだけでなく、政策面でも後押しするものを出していく。今年(2024年)の骨太の方針も、その辺りが1つの争点になってくるのでしょうか? 須田)予算編成をするにあたっても、大枠を決めるのが骨太の方針なのです。 飯田)予算編成より前に行うのですよね。 須田)ただ、骨太の方針には3年縛りがあって、これまで3年ずつ縛られてきた。その縛りは、3年間で非社会保障費、社会保障費を除いた部分についての純増が1000億円なのです。年間333億円ですから、全然増えない。 飯田)本当ですよね。 須田)この縛りがあったために、新規の予算が認められなかった状況にありました。それを今年の骨太の方針で覆すことができるのか。これが最大の焦点です。今年は3年目ですから。 飯田)今年がまさに3年縛りの節目になる。その辺りが、ちょうどまた総裁選に向けたところにも被ってきますよね。