おいおい、一体何が…安定した鉄道会社の株を100万円購入も、大損。勤務中も動悸、心ここにあらず「家族にも言えません」の末路【サラリーマン投資家の実体験】
株式投資で資産を殖やすことに成功した人がいる一方、損をしてしまう人ももちろんいます。では、損をするのにはどのような原因があるのでしょうか? サラリーマン投資家の松田二朗氏の著書『臆病なサラリーマンが見つけた!5年で資産を倍にする「ずぼら長期投資」』(朝日新聞出版)より一部を抜粋・再編集し、同氏が株に失敗してしまった実話から考えてみましょう。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
1株400円が半年後には200円に…
以前私は持株会で失敗しています。しかし、失敗はそれだけではありません。ここでは、株価が下がり続けたことに慌てて売りを行ってしまい、50万円の損失を出した私の投資の失敗経験について紹介します。「バイ・アンド・ホールド」ができなかった典型例です。 持株会で購入した株が下落したことに耐えられず売却した後、大きく毀損()した元本で次の投資先を検討していた私は、前回リスクヘッジできなかった反省に基づき、自分の業務とは無関係で業績が安定している鉄道会社の株を購入することにしました。その鉄道会社の場合、株を持つことで株主優待券(乗車券)をもらえるので、配当以外の楽しみもあり購入を決めました。 100万円ほど出資したので、かなりの数の優待券を受け取ることができ、半年に一度の配当とともに大きな楽しみでした。優待券を使わない場合は、金券ショップで売却もできるので現金化も可能です。 株価もしばらくは堅調に推移していたのですが、ある日を境に1、2週間程度かけて段階的に下がっていき、それまで1株400円程度だったものが、2週間後には250円まで下がっていました。 その後も少しずつ下がっていき、半年後には200円程度と半値に下がってしまいました。資産価値が半分になったので、心の中で「おいおい、一体何が起こってるんだよ……」と思い、思考停止状態になっていました。持株会のときのように大きな自然災害があったわけでもなく、鉄道会社の不祥事といったニュースもないのに、「なぜ株価が下がっていったのか」が理解できませんでした。 毎日会社に行っても仕事が手につかず、休憩時間に株価をチェックしては落胆する日々が続きました。心臓が常時バクバクしていて、心ここにあらずという状態が続きました。