ブレンボがオーリンズを買収! ブレーキとサスペンションの最高峰がシナジーを発揮するか
もちろんMotoGPやスーパーバイクだけでなく、F1やNASCARなど4輪を含む主要モータースポーツ世界選手権のサプライヤーとして存在感を発揮している。 オーリンズレーシングの2024年の業績予想は、総売上高 1億4,400万USドル前後、調整後EBITDA 21~22%が見込まれているという。 テネコの最高経営責任者(CEO)、ジム・ヴォス氏は「オーリンズが次の段階に進化を遂げるうえで、ブレンボは間違いなく最適なパートナーです。今回の契約によって、オーリンズはブレンボのリーダーシップの下で組織と従業員が市場で成功し続けるための立ち位置を確保し、テネコは事業ポートフォリオを合理化し、バランスシートを強化する戦略が下支えされ、長期的ビジョンを実行に移すことができます」と述べている。 オーリンズ・レーシングの最高経営責任者(CEO)、トム・ヴィッテンシュレーガー氏は「ブレンボと力を合わせることによって、オーリンズは新しい成長機会を創出し、個々の強みとアセットを活かし、イノベーションを前進させ、お客様と従業員に一層大きな価値を提供できるものと期待しています」とコメントした。 今回の買収案件はブレンボ史上最大規模となり、買収金額は4億500万USドル(10月16日の為替レートで3億7000万ユーロ相当)、デットフリー・キャッシュフリーを条件とし、通例に従った価格調整条項が含まれている。支払いは手持ち資金で行うとした。 この買収案件は通例に従って規制当局の承認を必要とし、契約完了は2025年初めの見通しだ。 ブレンボは、二輪車・四輪車レーシング分野への投資を続けているが、今回の買収はその一環。2021年にはデンマークのSBSフリクション、スペインのホタ・ホアンを買収し、二輪車向けブレーキシステムソリューション群を拡充した。今年2月には、タイ市場への進出の足がかりとして二輪車メーカー向けブレーキシステムに特化した生産施設の新設を発表。ちなみにレース用、公道用二輪車向け軽合金製ホイールの設計・製造を手掛ける大手ブランド、マルケジーニもブレンボグループの傘下である。 二輪車事業は現在、ブレンボの収益のおよそ13%を占めているという。 足まわりのスペシャリストたちが組むことにより、さらなる製品・技術の充実や価格競争力が高まることに期待したい。 ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。