「大阪都構想」が想定する4つの特別区とは? 24の行政区を再編
特別区の人口規模は「適切なのか?」
新設される特別区では教育、医療、福祉など住民に身近な行政を担う一方、府には大規模インフラの整備や都市開発、成長戦略などの広域行政を集約し、役割分担を明確化するのが都構想の狙いだと維新は説明しますが、大阪市廃止によって行政サービスが低下するのではと懸念する声もあります。 大阪市は9月26日から10月10日までの間、リアルの会場やオンラインによる住民説明会を開きました。 質疑応答の中で、特別区の区割りについて市民から「区の人口は60万人から70万人という規模だが適切なのか」という質問が出ました。松井市長は「黒字で住民サービスを維持しながらやっていける規模として、60万人から70万人が適切と判断した」と回答。「大阪市を廃止して特別区になると、住民の要望が伝わりにくくなるのでは」との声には、事務局が「住民の規模で声が届く、届かない(が左右される)ということはない」と答えました。 11月1日の住民投票で、賛成票が有効投票の半数を超える場合は大阪市を再編して2025年1月1日に4つの特別区が誕生しますが、反対票が半数以上の場合は、大阪市は現行の政令指定都市のまま存続します。ちなみに今回の住民投票で賛成多数となっても、大阪府の名称が自動的に「大阪都」に変更されるわけではありません。あらためて府民による名称変更の可否を問う住民投票が必要とされています。2回目となる今回の住民投票で、大阪市民はどのような判断を下すのでしょうか。 (取材・文:具志堅浩二)