性被害に遭ったら、どうすればいい?
身近な人から相談されたとき
被害に遭った人は自分を責める傾向があります。そのため、「どうして気をつけなかったの?」「あなたにも隙があったのでは」などの言葉は傷を深め、回復を遠ざけてしまいます。また、自分が悪いのではないかと思うあまり、警察に届けられない人もいます。 被害に遭った人があなたにそれを打ち明けた理由は、あなたを信頼しているからです。「それは大変なことだったね」「話してくれてありがとう」「あなたは悪くない」と伝えましょう。話の主導権を取ろうとせず、相手がどう感じているのか、これからどうしたいのかを傾聴することが大切です。 本人が望んでいる場合は、警察やワンストップ支援センターに付き添うのも良いでしょう。 性被害は決して珍しい被害ではなく、女性の14人に1人、男性の100人に1人が過去に無理やり性交等をされた経験があるという調査もあります(令和2年度・内閣府『男女間における暴力に関する調査』)。 身近に起こりうる被害であることを知って、ワンストップ支援センターなどの相談先を一人一人が知っておく必要があります。
被害から時間が経っている場合
子どもの頃に被害に遭った場合など、被害から数年、あるいは数十年経ってから「あれは性被害だったのでは」と気づいたり、時間が経っても回復しない心の不調に気づいたりすることもあります。また、急なフラッシュバックで過去の被害を思い出すこともあります。 しかし過去の性被害相談に対応する窓口はまだ少なく、ワンストップ支援センターや各地にある犯罪被害者支援センターは、基本的に急性期(被害直後など、被害に遭ってから間もない時期)の対応に特化しています。 内閣府が行う性暴力に関する相談窓口「Cure Time(キュアタイム)」は時間が経っている被害の相談を受けることがあります。SNSでの相談にも対応しているほか、外国語(10言語)での相談も受け付けています。 (小川たまか)