そもそもの車内の形によっても音は変わる! カーオーディオの「いい音」を決める要素とは?
少し細工することでワンランク上の音質に
また、鋼板プレスによるドアパネルの内側に、ブチルゴムや鉛シートを貼り付けると、パネルの共振を抑える働きにより、やはり音の響きが鮮明になり、よい音に変わったと感じることができるはずだ。 さらに細かくいえば、スピーカーケーブルを無酸素銅(OFC)製に替えるといった手法もあるが、こうした細かな領域での対策は、ユニットの選択に始まりシステム全体の構成を考えた上で、バランスを見ながら行わないとその効果を感じ取ることは難しいかもしれないれない。 極端な例をひとつ紹介すると、過去にオーディオ向きのバッテリーが用意されたことがあった。バッテリーは直流電源だが、そのアイテムは電流に含まれるノイズが少ない、小さいという触れ込みだった。 こうした極端な例を、大げさと考えるか否かは聴く人の価値観に左右される問題だが、バッテリーにオルタネーターノイズが飛び込み、その音がスピーカーから再生される場合もあるので、オーディオに関して注意すべきことは、こだわり始めると際限がなく広がる傾向にあると言っても過言ではない。 原点的なことをいえば、コンパクトクラスの車両より高級車と呼ばれるクラスの車両のほうが、音がよく聴こえる傾向にある。上級車になるほど遮音対策(騒音吸収材、パネル構造、振動対策など)が入念となり、オーディオの再生音をよりよいコンディションで聴かせることができるようになるからだ。 しかし、こうした事実がある一方で、たとえばスピーカーの選択や装着方法、ドアまわりの共振対策を施せば、オリジナルから見違えるほどの音を響かせることも可能だ。音に関心のある方は、予算も含めた上で、まずスピーカーとその周辺から見直すことをオススメしたい。
大内明彦