「もう死んでもいい」から奇跡の復活…!不治の難病を抱えた「女性落語家」が語る、ある大師匠との思い出
「2021年8月の時点で末期……余命半年を迎えた状態でした。それでも絶対に肝移植を受けようとは思わなかった。 【一覧】スタッフから人気の高い女子アナと「意外に評判の悪い人物」ランキング 今までずっと治療で苦しい思いをしてきたし、35歳のときに受けた手術で痛み止めがうまくいかず、死ぬほど辛い思いをしたんです。二ツ目に昇進したから、もう死んでもいいやと思っていました」 39歳で落語界に入門した三遊亭あら馬さんは、かつて女子アナやタレントとして活動し、二人の娘の母親でもあるという、異色のキャリアを持つ落語家だ。さらに、彼女は生死をさまよう難病「先天性胆道閉鎖症」を患っている。 2021年に余命宣告を受けながらも、これ以上の治療は望まないと決心していたあら馬さん。ところが一転、危険度の高い肝移植手術を受ける決意をする。
「まだ私の人生あんのかい!」
「それが、余命宣告の末期、8月になっても全然死ぬような感じがなくて……(笑) 覚悟していた分、死なないんかい! まだ私の人生あんのかい! って、ホント拍子抜けですよ。 そうこうしているうちに、地元鹿児島での二ツ目のお披露目が近くなって。意外にも「生きて!」というお客さんや仲間が多い事に気付いて、もうちょっと生きたいって、初めて思ったんですよね」」 師匠や家族からも励ましを受け、ついに肝移植を決心。手術は無事成功し、4ヵ月後のお披露目会に向けて懸命にリハビリを始めた。
不治の病と一生闘い続ける
「黄疸も取れていないし、痛みもひどかったんですが、せっかく命からがら生き延びたんだから新ネタを披露するか! と思って。なのに、病室で一生懸命練習していたら、看護師に『静かに! 』ってめちゃくちゃ怒られました(笑) でも、これが最期の舞台になるかもと思って、小遊三師匠や偉い人をたくさん呼んでいたので、間に合わないとカッコ悪い、絶対に復帰するんだ! と、必死でしたね。なんせ生き延びてしまった分、出られないとキャンセル料を払わないといけないんで(笑)」 肝移植を受けて肝臓の機能は回復したが、胆道閉鎖症そのものは決して完治することはないのだという。 「この病気は死ぬまでずっと付き合っていかないといけないので、自己管理には気を付けていますよ。まあ、酒は飲んでいますけどね。お医者さんにも飲んでいいって許しが出ていますから。でも『あら馬さんは上手くいっただけ。お酒飲めるよーと大きな声で言わないで』とも言われていますね(笑)」