ドイツにリセッション懸念 11月鉱工業受注と小売売上が予想外の減少
Maria Martinez [8日 ロイター] - ドイツの11月の鉱工業受注と小売売上高はいずれも予想外の減少となり、リセッション懸念が再び台頭した。 連邦統計庁が8日発表した11月の鉱工業受注指数(季節・日数調整済み)は前月比5.4%減少した。大型受注の減少が響いた。 ロイターがまとめた予想は横ばいだった。 INGのマクロ部門グローバルヘッド、カーステン・ブルゼスキ氏は、弱い受注と依然高い在庫は今後数カ月の鉱工業生産によってよくない兆候だとし「ドイツの新規受注と小売売上高統計は、冬の軽度のリセッションというわれわれの見方を確認した」と述べた。 列車や船舶、航空機といった大規模輸送機器部門は10月のような受注がなく11月は58.4%減だった。 大口受注を除いた鉱工業受注は前月比0.2%増だった。 国内受注は3.8%増加したが、海外受注の10.8%減をカバーできなかった。海外のうちユーロ圏からの受注は3.8%減、それ以外は14.8%減だった。 コメルツ銀行のエコノミスト、ビンセント・スタマー氏は、独製造業の回復は依然「視野に入っていない」と述べた。 9─11月の受注は前の3カ月を1.7%上回った。 11月の小売売上高指数は前月比0.6%低下した。ブラックフライデーやサイバーマンデーといったクリスマス前の販促効果が期待されたが予想外に減少した。 ロイターがまとめたアナリストの予想は0.5%増加だった。 INGのブルゼスキ氏は「クリスマス商戦がポジティブサプライズをもたらさない限り、(12月の)個人消費は減少する見込みだ。政治と政策の不透明感がインフレ再燃と重なり、消費の大幅な回復は見込めない」と述べた。 連邦統計庁の予測によると、24年の小売売上高は前半が低調だったものの前年比実質1.3%増加の見込み。パンデミック前の19年の水準を推定2.6%上回った。