接客はアバターにお任せ―遠隔で操作、人手不足の現場の助っ人に 高齢者、すっぴんでもOK「年齢や性別、障害の有無に関係なく働ける」
かつて銀行窓口で働いていたという女性(60)は、アバターの接客サービスで同時に4社の受付をこなしている。女性は以前の職場との違いをこう語る。「前の職場では、受付を担当するのは若い人が多かった。アバターなら私でも任せてくれるのがうれしい」。そして「声が続く限り仕事を続けたい」と生き生きした表情で話した。 近年は対話型人工知能(AI)の発達もあり、受付をAIが代替するケースも増えている。しかし、女性はアバター接客の強みをこう表現した。「アバターの裏側で操作しているのは人間だから臨機応変にぬくもりをもった対応ができる。AIにはまだまだ負けないわ」 パソナグループは、アバターシステムをコンビニの「ローソン」やエイチ・アイ・エスが運営する「変なホテル」に供与。近年インバウンド(訪日客)が増え、外国語で観光案内するためアバターを利用したいと自治体などから問い合わせもあるという。 パソナグループの松村卓司常務執行役員は「年齢や男女の別、障害が有無に関係なく、生き生きと働ける新しい職場をつくりたい」と意気込んでいる。 アバターによるサービスを展開している企業は他にもある。TOPPAN(東京)は、スーパーの試食販売の店員を遠隔からアバターで実演するシステムを販売する。IT企業のタイムリープ(東京)は、インターネットカフェの受付などの遠隔接客サービスで、アバターによる案内を提供している。