韓国「36週目の妊娠中絶」事件、女性への非難が過熱…依然根深い性差別
【08月20日 KOREA WAVE】韓国で「36週目の妊娠中絶」をしたユーチューバーの事件以降、妊娠中絶を選択した女性に対する非難が高まっている。2019年に韓国で中絶罪が廃止されたにもかかわらず、妊娠の責任を女性にのみ負わせる社会的風潮は変わっていない。 この事件に関連する記事のコメント欄やオンラインコミュニティには妊娠や中絶を経験した一般の女性に対する侮辱的な言葉が多く投稿されている。「なぜそんな男と付き合うのか」「責任を回避するための行動だ」「無責任だ」「子どもを持つ資格がない」などの意見が見られる。 今回の事件では、妊娠中絶を受けた20代のユーチューバーと手術をした病院長も警察の捜査対象となっているが、これにより妊娠中絶に対する関心が高まり、特に女性嫌悪の感情が再燃していることが問題視されている。 韓国では2019年に憲法裁判所が中絶罪について「憲法不合致」の判決を下し、3年以上が経過している。しかし、多くの市民の認識がいまだこの変化に追いついていないという分析もある。 また、妊娠させた男性に対する批判が少ないことから、依然として性差別が根強く残っているとの懸念が広がっている。実際、妊娠中絶を犯罪と関連付けてユーチューバーを非難する世論が強まっているが、男性は法的責任や非難をほぼ免れている。 この件で関係団体は、妊娠に関与した男性と女性の両方が責任を負うべきだと主張している。韓国の「性的権利と再生産正義のためのセンター・シェア」のナ・ヨン代表は、妊娠中絶に関する法改正と共に、男性の責任や避妊、性教育の支援策を政府が包括的な計画の中で整備する必要があると述べている。 さらに、保健当局が早急に妊娠中絶に関するガイドラインや医療システムを構築し、男女が共に責任を持って意思決定できる体制を整えるべきだと強調している。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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