「盗撮ユニクロ店長」は特殊な人間ではない…裁判所で明らかになった「盗撮犯たち」の飽くなき執念
■ユニクロ店長、財務省エリートが盗撮犯に 会社員が、高校教員が、警察官が、自衛官が、盗撮で逮捕されたと日々報道される。 【図表】警視庁の盗撮行為の検挙件数 2024年10月には、都内の「ユニクロ」の店舗で女性客を盗撮したとして、男性店長が警視庁に逮捕された。店内の試着室の下からスマホを差し入れ、女子中学生ら計9人の女性客の体や下着を盗撮するなどした疑いが持たれている。 また、12月には東京都立大学の特任准教授でもある財務省の男性職員が、東京・八王子市の京王線南大沢駅のエスカレーターで20代の女性のスカート内をスマホで盗撮した疑いで逮捕された。 総務省によれば、スマートフォン(以下、スマホ)が日本で初めて発売されたのは2008年。その後、爆発的に普及した。スマホには高画質で手軽に撮影できるカメラが内蔵されている。スマホの普及とともに盗撮も激増したようだ。 ■スマホの普及とともに検挙件数は右肩上がり 警視庁の統計から「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」の第5条違反「卑わい行為」(痴漢が多い)と、そのうち「盗撮行為」の検挙件数を、2008年から5年毎に拾ってみよう。 各都道府県に同じような条例がある。以下、迷惑条例という。2023年7月13日には、迷惑条例とはまた別に「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」という長い名称の新法が施行された。それぞれカバーする範囲や法定刑が異なるが、そこは省略して話を進める。 盗撮は、スマホだけで行われるわけではない。盗撮に適した秘匿カメラがネットでも販売され、小型化、高機能化が進んでいる。盗撮事件は刑事裁判の法廷へ続々と出てくる。 今回は、刑事裁判で明かされた盗撮のさまざまな手口をご紹介しよう。良く言えば“男の探究心”、有り体に言えば性犯罪者の執念に、多くの女性は驚愕するのではないか。