「盗撮ユニクロ店長」は特殊な人間ではない…裁判所で明らかになった「盗撮犯たち」の飽くなき執念
■ベランダから盗撮していたのは最高裁事務官 3、マンションの上階から 被告人は30代。長袖ワイシャツ、ノーネクタイ、黒ズボン。目鼻立ちはくっきりして、可愛い感じがある。被告人席に膝をそろえて座った。検察官が起訴状を読み上げた。 検察官「被告人は……午前0時48分頃から午前0時51分頃までの間……マンションに居住する被害者、当時20歳……下着など……撮影するため……ベランダから小型カメラを吊り下げて差し向け……」 被告人は被害者の上階の住人だった。甲3号証は被害女性の調書だ。 「以前から、上から小型カメラが垂れ下がって撮影している感じが……(本件当日)カーテンを閉めにいったらカメラがぶら下がっていたので、スマートフォンで撮影して通報した……犯人が私の部屋の様子を……本当に恥ずかしい……今後また……不安……」 大胆な工夫を思いつき、かつ実行したこの被告人は、なんと最高裁の事務官だった。いったいなぜこんなことをしたのか。 被告人 「最高裁……事務量が多くて、少し参っていて……人間関係……恋愛とか思うように進まなくて……」 裁判官 「じゃ、悩みの解消の一環として?」 被告人 「その事実は否定できません」 裁判官 「最高裁の事務官として……犯罪をやれば、どうなるか……」 被告人 「刑事事件は経験ございません」 裁判官 「しかし実務研修では」 被告人 「はい……知識としては分かっていながら……」 裁判官 「裁判所の職員がやれば……(大変なことになる)……それは歯止めにならなかったんですか」 被告人 「頭では分かっていても、自分は大丈夫だろう、バレないだろう……」 判決は懲役1年6月、執行猶予4年だった。大丈夫だろう、バレないだろう、それは飲酒運転なども含め多くの犯罪者に共通する。 ■チームで野外盗撮を狙った男性4人組 4、野外イベントを狙う男たち 法廷中央、証言台のところに被告人が4人、横に並んで立った。全員が黒スーツにネクタイ姿。いわゆるアラフォーで、婚姻歴なし。数年来の知り合い同士だという。いったい何をやったのか。起訴状と検察官の冒頭陳述をまとめるとこうだ。 被告人ら4人は、野外で放尿する女性を見たり撮影したりする性癖を有していた。花見の公園、花火会場などへ出かけ、トイレの列に並んだものの、たまらず野外で放尿する女性を見つけ、盗撮していた。 1人が女性を見つけて追うと、その動きを他の3人が察知して続く、そんなことをくり返していた。本件当日、ついに逮捕された。