ランボルギーニ ガヤルド LP 570-4 スーパーレジェーラは軽量化がいかに重要か教えてくれた【10年ひと昔の新車】
足まわりはノーマルより硬くステア応答性は俄然シャープ
というわけで、まずはノーマルのLP560-4でコースインしたのだが、もちろんこれも十分以上に速くかつ刺激的だ。しかし数周後にLP570-4スーパーレジェーラに乗り換えると、さらに強烈な衝撃が僕を襲った。 エンジンの+10psを体感するのは難しいが、車体が軽いため明らかにピックアップは良い。通常はフロントに30%、リアに70%の駆動力配分を行うビスカストラクションシステムを備えたフルタイム4WDだが、不用意にアクセルを踏むと急速なパワーの立ち上がりがハイドロプレーニングを呼びやすい。しかしここで慌ててアクセルを急に閉じると、今度は強めのエンジンブレーキが姿勢を乱すことになる。 クラッチペダルを持たないeギアシステムは、その意味でごまかしの効かないトランスミッションだ。加速中に深い水たまりに飛び込んでズルッと来たら、アクセルを固定し駆動力変動を与えないイーブンスロットルで落ち着くのを待つのが唯一の方法となる。 ヘビーウエットではこうしたガマンの走りを強いられたが、ワンメイクレースのスーパートロフェオの車両開発経験を生かしたと言われる足まわりは、ダンピング90%アップとノーマルより格段に締まっていて、ステアリングに対する反応が俄然シャープなことがわかった。較べるとノーマルのLP560-4はマイルドで乗用車的、スパーレジェーラは軽さが最大限に生きていてノーズがキビキビと反応する。 その後の旋回はどこからズルッと来るのかの恐怖に常に身構えていたため、とても楽しめるまでには至らなかったが、ドライ路面であれば軽くなったボディによる運動性能が心行くまで楽しめたはず。そう思うと富士の雨が何ともうらめしく見えた。何しろこのコンディションではパワートレーンの反応が最も鋭くなり、ESPの動作も規制される「CORSA」モードに入れるのを躊躇わせるほどなのだ。 とは言え、アルカンタラとカーボンで満たされたコクピットに座り、パドルで1速にエンゲージ、アクセルを踏むとポリカーボネート越しにV10の咆哮に包まれ力強く走り出すLP570-4スーパーレジェーラは、間違いなく魅力的なスーパースポーツだ。ガヤルドの購入を考えるなら、今はこれしかないだろう。(文:石川芳雄/写真:永元秀和)
ランボルギーニ ガヤルド LP 570-4 スーパーレジェーラ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4386×1900×1165mm ●ホイールベース:2560mm ●エンジン:V10DOHC ●排気量:5204cc ●最高出力:419kW(570ps)/8000rpm ●最大トルク:540Nm/6500rpm ●トランスミッション:6速AMT(eギア) ●駆動方式:4WD ●最高速:325km/h ●0→100km/h加速:3.4秒 ●車両価格:2913万2250円(2010年当時)
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