国産ホップが減少するなか、サッポロビール開発のホップ「ソラチエース」を生産拡大する意義とは
クラフトの醍醐味!造る人が違うとビールはこんなに違う
生産量が増えたことから、今年初めて、サッポロは他社に国産ソラチエースを販売した。そしてそれを使ったビールを飲み比べてみようという企画が、さる9月7日~8日に羽田空港で開かれた「ソラチエースガーデン」だ。 参加ブルワリーはサッポロの他、キリンビールとの共同出資会社であるブルックリンブルワリー・ジャパン、常陸野ネストビールブランドの木内酒造1823、「よなよなエール」や「水曜日のネコ」などで知られるヤッホーブルーイング、北海道・上富良野にある忽布古丹(ほっぷこたん)醸造の合計5社。 特に、このイベントに向けてリリースされた木内酒造1823、ヤッホーブルーイング、忽布古丹醸造によるビールは三者三様。これぞクラフトビールというバリエーションが楽しめた。 同じ品種でも醸造方法や他の原料との組み合わせで、これほど多様な味わいが生まれる。ビールの楽しさが存分に発揮された飲み比べであった。 15年前からソラチエースを使ったビールを造りつづけてきた木内酒造1823の谷幸治さんは、「ローカルであること。国産原料を用いた日本ならではのビールづくりに挑戦しつづけたい」と話す。今回初めてソラチエースを使ったビールを醸造した忽布古丹醸造の堤野貴之さんは「他のホップに代用できない個性があり、使いこなすのには経験が要る」、同じく初めての挑戦になったヤッホーブルーイングの荒井隼人さんは、「ウッディかつトロピカルな要素を併せ持ち、他のホップの香りも引き立たせる。他のホップに替えられない」と話す。その唯一無二ぶりが醸造家のコメントから感じられる。 そしてサッポロの新井さんは、「ビールをホップで選ぶ楽しさもある。ビールの楽しみを広げていきたい」と語る。 すでにクラフトビールマニアの間では、ホップの品種は話題のタネであり、その違いをああだこうだと言いながら楽しんでいる。マニアでなくても、ホップの違いでビールの風味が変わるのは楽しい。それが国産であれば話題性はさらに高まる。何より自前の原料生産は末永くビールを造りつづける上で欠かせない。大手サッポロがソラチエースのホップ畑を拡充していくことには大きな意味があると思う。 私が書きました! ライター 佐藤恵菜 ビール好きライター。日本全国ブルワリー巡りをするのが夢。ビーパルネットでは天文記事にも関わる。@DIMEでも仕事中。
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