終活期は3つのコースに分けられる。「どこで暮らし、どこで最期を遂げるか」など、老後の生活基盤を想定しておこう
人生の終わりの時期である「終活期」は、誰にでも訪れるライフステージです。筆者は「終活期」を、75歳以降の人生のことと考えますが、このライフステージでは健康上の問題が現れやすくなります。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算 一般的に老後の人生においては、「どこで、誰と過ごしながら最期を迎えたいか」に意識が向かいやすくなりますが、おおむね「家族に囲まれながら自宅で死にたい」と望む人が多いのではないでしょうか。 しかし、このようなことを望みながらも、実際病気になったり、介護が必要になったりした場合、「どのようにその後の人生を組み立てていけばよいかよく分からない」という声も耳にします。 そこで今回は、老後の生活基盤をどのように想定すればよいかについて、一緒に考えてみましょう。
私たちは、終活期において、どこで暮らし、どこで死ぬかをあまり想像していない
本記事では退職後のライフステージをイメージしてもらうため「退職後のライフプランにおける概略図」(図表1)を示しました。 図表1
※筆者作成 今回の話は特に、図表1のなかの「終活期」に該当しますが、療養や介護が必要になった後、現実問題として、どこでどのように暮らすかを決める必要があります。 例えば、脳梗塞などの影響で何らかの障害が後遺症として現れた場合や、認知症を患い悪化した場合などの事例は、比較的メジャーかもしれません。 しかし、その後、自分がどこでどのように暮らすかを具体的に想像できる人は、そう多くはないでしょう。前者の場合、障害の状態にもよりますが、介護老人保健施設(老健)などに入所⇒リハビリテーションによる機能回復⇒自宅復帰という流れが一般的です。 一方、後者の場合では、介護老人福祉施設(特養:特別養護老人ホーム)がついのすみかになるケースもあります。 そして、人生の終わりは自宅で息を引き取るのか、病院で最期を迎えるのか、特養をついのすみかにするのかも、人生にとって重要なテーマとなります。これについても、老後を迎えていない人にとっては遠い話なので、具体的に想像できる人は少ないかもしれません。